インバウンドの光と影:スーツケース棄却問題

日本でスーツケース棄却問題が問題になってきているのをご存知でしょうか。

香港の街を大きなスーツケースをガラガラ引きずっているのは中国人。香港人の友達が”スーツケースを持って歩くと中国人に間違われるので嫌だ”、とふくれていて可愛かったです。と言うように香港では、スーツケースと言えば、中国人のトレードマークです。

 

笑えないスーツケース問題@日本

 

ですが昨今、日本で問題になっているスーツケース問題はちょっと笑えません。

昨年、成田空港の出発ロビーに放置されたスーツケースは約250個、関西空港が258個、中部空港では287個が見つかったということです。単純に計算しても、各空港でひと月に20個以上のスーツケースが捨てられている計算になります。

これは持ってきたスーツケースの容量をはるかに上回る買い物をしてしまい、新たに大きなスーツケースを購入。その結果、不要になった元のスースケースを空港で破棄してしまうからだそうです。

その中には名前が書かれていたり、出国時のタグが残っていたりで、その殆どが「中国系」と推察されるものなのだとか。スーツケースの口が閉じていると、爆発物や可燃物の検査もしなければいけないので、警備上、大きな問題になっています。また、警察の遺失物保管庫は、置き去りにされたスーツケースで膨れ上がり、保管期間の3ヶ月が満了した後は粗大ごみとして処理しなければならないので、その際には費用として私たちの税金が充てられるわけです。

 

中国人:「何が問題なの?」

 

そもそも中国では、ゴミを捨てるのはタダ。とにかく不要なものは捨てればいいので、ゴミになるものには未練もありません。あとは野となれ山となれです。

語学学校時代に住んでいた寮。隣の部屋には「中華系」の生徒が住んでいました。彼女が退寮した後の部屋は、まるで荒らされた部屋のように、ちぎれた紙や教材が散らばっていました。住んでいた時は割と小綺麗にしていたのに、なぜ、去り際には、そこまで散らかしていくのか…。日本人には理解のできない行為でした。

香港でも似たような事情はあります。路上のゴミ箱は夜にはあふれ返り、レストランではゴミは床に落とすか、テーブルの上に食べ散らかしたまま、そのまま去っていきます。寧ろ、ゴミ掃除をする人の仕事になっていい、と思っている節すらあります。

 

日本の環境衛生の高さ

 

香港が日本の23区とほぼ同じ面積でありながら、日本全国で出されるのとほぼ同じ量のゴミを生産している話を以前のブログで取り上げました。香港では驚くことに全てを一つの袋に詰め込んで、分別しないのですが、日本ではご承知のようにゴミは細かく分別するのがルールですね。

日本の環境衛生が整っているのは、ひとびとが真面目に、面倒臭いゴミの分別に努力していることの積み重ねから来ています。

また日本人は、幼い頃から「ものを大事にする」よう教育されているので、ものを粗末に扱うことは「よくないこと」と考える傾向にあります。江戸の街にはゴミが全くなく、衛生的に保たれていたそうです。それは、ものを本当に使えなくなるまで三次、四次、五次と、再利用したいたからと言われています。

 

考えられる改善方法

 

どうしたらこのスーツケース問題を解決できるか考えてみました。

  • 空港でビラを配って注意を喚起する(現在一部で実施中)
  • ホテルなどが引き取る(現在一部で実施中)、また、スーツケースの販売店でトレードインというのもいいかもしれません。
  • スーツケース交換スポットを設ける。
    (スーツケースは開けたまま、不要になったスーツケース同士を交換する)
  • 空港での粗大ごみ破棄を罰金にする。(破棄手数料を取る)
  • 「芝麻信用」と協力してペナルティを課す。(これが一番効果的かも)

 

まとめ

 

いらなくなったから、その辺に捨てていってしまおうと言うのは、「恥」の文化で育った日本人からみると理解ができない考え方であり、行動です。しかしそこで、「しかたないな」と、簡単に見過ごしてしまうのではなく、認められないものに関してはきちんと主張すべきだと感じました。

「観光者がスーツケースや大きなものを捨てていく」という行為に際して、規則を定めたり、システムを考案したりして、訪日観光客に認知と理解を広めていくことで改善していけたらいいなと思っています。

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