TYA チャレンジの歴史 TYA History 2 ( JP/EN )

最初の海外オフィス
TYAの海外への挑戦は1995年のシンガポールから始まります。日系企業がアジア・中央向けのマーケティング拠点をどんどん外に移していく中でのチャレンジです。営業1人そしてデザイナー1人だけを開拓の担い手として500万円の資金だけを持って、なくなったらそこでゲームセット!という冒険が始まりました。努力の甲斐があって仕事が増えてくると、今度は東京から代わる代わるにヘルプを呼んでなんとか回していきました。タフでハードな毎日に、少しずついただけるようになったお金はストレスの発散のために近くの高い寿司屋さんに足繁く通うことでどんどん消えていきました。まだ見ぬ市場への好奇心。ハングリー精神。尖った感性。これらをバックボーンにTYAシンガポールはお客様の信頼を得るようになっていきました。

The first challenge was started from Singapore, there were one designer and salesperson from Tokyo in the office with the only 5million capital fund. At the time, so many Japanese companies were trying to expand its locations to Asia. It was a very risky gamble for TYA. However, they could gradually gain their works in Singapore, and helping staffs came from Tokyo alternately. Regardless of limited income, they spent so much money for Sushi to save themselves from enormous stresses in the unfamiliar environment. Nevertheless, because of that effort, edgy eyes on design, hungry spirit, and very curious heart for a new world, slowly Singapore office earn much reliability.

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TYA チャレンジの歴史 TYA History 1 ( JP/EN )

 

チャレンジャー集団、TYAの始まり

TYA は1982年に東京で生まれました。

創始者の吉見雅和は当時の親しいクライアントから勧められて1995年、当時はまだ珍しかったアジア進出に乗り出しました。
初めは1995年シンガポール、1998年香港、そして2010年ベトナム。

チャンスを掴むことは簡単ではありませんし、初めてのことに乗り出す時にはいつもわからないことばかりです。ですが、私達TYAHKはしっかりと初代のチャレンジ精神を引き継ぎ、チャレンジャーとして、チームで成長を続けています。

 

TYA was founded at Toyko in 1982. Our founder Masakazu Yoshimi was given a chance to expand his business to a foreign country in 1995 by our close client.
Being invited by one of our international corporate clients, we have started to develop our company across Asia regions, from Singapore(1995), Hong Kong(1998) to Vietnam(2010).

Generally, there is always uncertainties to take a chance. Nonetheless, taking the new challenge is our gene which was taken over from our first founder! That’s why we, TYA Hong Kong, are the team of professionals in taking challenges!

TYA チャレンジの歴史 TYA History 3 ( JP/EN )

 TYA香港はこうして始まった
 小さなクリエイティブエージェンシーのTYAが90年代からアジア展開を行うことができたのには3つの大きな理由がありました。
①  家電など日本を代表する企業が海外の市場を意識しアジアにマーケティングセンターを移転し始めていた。
②  「アジアに出ておいでよ。仕事をあげるとは確約しないけどチャレンジするならドアはオープンできるよ」というお客様からのありがたい「引き」があったということ。
③  ファウンダーの吉見は70年代に米国に留学。海外進出のマインドがあった。またチャレンジ好きのスタッフが多かった。
 
そして何よりも、”海外であばれてやろう”、”挑戦してやろう”という気持ちがあったことも大きかったと言えます。
ありがたい「引き」をいただいたのは「エッジの効いたクリエイティブ」+「小回りの効くサービス」評価していただいたからであり、いつまでもTYAのDNAとして強く意識していかねばならないと思っています。
 
95年のシンガポールから3年。今度は香港でも挑戦してみませんかという「引き」をいただきました。
しばしの紆余曲折を経て、吉見は現香港オフィス代表の植木を起用することになります。
当時、植木は日系広告会社の上海勤務を経て香港に移って来ていました。
 
2人の出会いは数年前の日本に遡ります。
 
植木は当時勤めていた広告会社で英文カタログデザインの発注先を探していました。TYAは候補の一つでした。
ミーティングの席で初めてTYAのメンバーと対面した植木はその場で、この会社と仕事がしたい!と思ったそうです。
代表の吉見はなんと白髪交じりのモヒカン(!)。超美人の女性営業にスキニーなニュージーランド人デザイナー。
スーツにネクタイ揃いのその他候補に比べてぶっちぎりで目立っていました。更にこれまでに手がけてきた仕事もクールなものから繊細なものまで。
上司達はうさんくさがっていましたが、反対を押し切って大手家電会社のアジア・中近東市場向けの総合カタログ作りを一緒に手がけてもらうことにしました。
 
こうして吉見と植木の親交は始まりました。植木は間もなく転職し上海に働くことになりましたが、数年後、吉見から香港ブランチ開設についての相談があったことになります。”誰かいないかな?”、”僕がいるじゃないですか(笑)”と、話は進みます。エンジェル投資家のご厚意を得ることもできTYA香港はスタートを切ることになったのでした。
 
次回は香港オフィス立ち上げのこぼれ話を紹介していきたいと思います。
これから海外で起業したい皆さん、ぜひ感想をくださいね。ご期待ください!

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There are 3 core points that the small creative agency TYA could expand its branches into oversea since 90’s.

1) It was the time for Japanese mega brands were glorying in their ascendancy in the foreign market, they started to set their branches in Asia.

2) “Why don’t you come to Asia? We cannot guaranty the business but we can give you chances if you wish.” One of our clients offers a great opportunity.

We should keep in mind that this was happened because of highly regarded skills of TYA such as the keen eye on creativity and the flexible services.

3)TYA founder Yoshimi had graduated American University in 70’s so he has very positive to expand his business into oversea.
In addition, there are many TYA staff who like to take any challenges.

Above all; there is full of very positive mind like “We should do something big in oversea” and passion.

After three years later from the opening of Singapore branch, we had received another opportunity to open a Hong Kong branch.

-How the TYA founder found the current CEO of TYA Hong Kong?
To look back their first meeting, it has to go back to a few years from 1998 in Japan.
At the time, the current CEO of TYA Hong Kong: Mr Ueki was looking for a design agency to make a catalogue in English for the oversea markets at the previous company. When he met TYA member first time, immediately he thought he would like to work with them. Interestingly, the TYA founder had the mohawk hairstyle at the time came along with a vivid portfolio, a very beautiful saleswoman and an ultra skinny designer from New Zealand. Without saying that they were so stood out from other ordinary creative agencies who just brought boring design works and wore the ordinary suits and ties.
Although other board members in Mr Ueki’s company were very sceptical about TYA, Mr Ueki decided to work with TYA with strong confidence.

So this was how they started to develop their partnership.
After a few years of the work, the TYA founder askedMr Ueki if there are any suitable person to operate the new Hong Kong branch. Mr Ueki had replied, “I am here for that.” Afterwards, they found an angel investor and finally, TYA Hong Kong had started to work on actual plans.

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「余談であるが、」

司馬遼太郎みたいですね。

真面目な話の中には、息抜きのような回があっても良いかと思います。日本語でブログを書いている以上は、日本の読者の皆様に、香港の魅力を発信していかなければと思うのです。

余談であるが、

本日、オフィスの皆さんに、飲茶に連れて行っていただきました。

香港といえば飲茶、飲茶といえばエビ餃子にシュウマイ……ですが、実はその他にも、美味しい点心はたくさんあります。

実は香港に来るまで、飲茶には興味がなかったのですが、一度行くと虜になってしまいました。日常的に通っているわけではありませんが、少し特別な食事によく使っています。点心の白くてぴちぴちに張りつめたフォルムといい、具は何だろう? というわくわく感といい、とても魅力的ではありませんか?
​まずは中華風焼きそば「炒麵」です。イカゲソ入りで、麺が細くパリパリ香ばしくておいしかったです。飲茶屋さんは、点心ばかりではなく、麺やご飯ものも美味しいのです。


​これは、「叉燒包」チャーシューまんです。甘辛く煮たチャーシューの細切りが入っています。チャーシューまんは、どのお店でもぱっくり割れた形をしています。どうしてなんでしょう。


「咸水角」ハムソイゴッ、と発音します。甘みのある餅で肉や野菜の餡を包んで揚げたもので、日本語では「もち皮揚げ餃子」と訳されるようですが、個人的には、餃子というより春巻きに近い餡だと思います。昔からある伝統的な点心だそうです。


定番のエビ餃子ももちろん美味しかったですよ! 香港人の友人と飲茶に行くと、よくエビ餃子を勧められます。なぜか、日本人はジャスミン茶とエビ餃子が好き、というイメージがあるそうです。


​そして、本日初体験の「蛋散」というデザートを食べました。甘いシロップがかかっていて、サクサクしていて、噛むと一瞬で粉々に崩れます。乾燥させたシュークリームの皮のようなお菓子です。

香港では、飲茶は普段の食事にしては少し高価ですが、日本よりもずっと安く食べられます。有名なチェーン店も美味しいのですが、個人的には郊外にあるような老舗が、素朴で親しみやすい味がして好みです。しかしどのお店も点心やお茶に豊富な種類があり、どれも美味しくて、やはり食文化は本場が最も豊かだと感じさせられます。

香港の女子学生

少し前に、東大における女子学生の少なさが話題になりました。東大に限らず、日本のほとんどの有名大学では、男子学生の割合が女子を大きく上回っています。そもそもの問題としては、大学進学率そのものに男女差があるようです。

私は、そのことにあまり疑問を持たずにいたので、香港の大学にやってきて驚きました。

女子学生の数が多い!のです。男子が圧倒的な日本の大学に慣れていると、すぐに気がつくくらい、女子学生の多さが目立ちます。この大学の男女比はほぼ一対一、文系学部では女子がほとんどで、一部の理系学部も女子の数が男子を上回っているそうです。

さらに、彼女たちの姿にも驚かされました。香港では、「学部はどこ?」と聞かれることはほとんどありません。皆、「専攻はなに?」と聞いてきます。そして、分厚い教科書やびっしり書き込んだノートを持ち歩き、専攻のことについて聞かれると、早口で自分の知識を熱弁します。

日本では、女性にこうした振る舞いはできないでしょう。それは、美徳ではないからです。知識をひけらかさないことこそが、美徳であるとされているからです。できるけれどもできないふりをしたり、知っているけれども知らないふりをしたりすることが、本当に賢い女性のすることだなどと、日本ではよく言われます。

香港にこなければ、日本の社会がどれだけ抑圧的であるかに気づくことはできなかったと思います。勉強する、努力するということに対して、非常にのびのびとした香港の女子学生たちを、私は羨ましく思います。

雨の香港、人間模様

TYAの次の記事に行き詰まり、大雨の中、少しの間オフィス付近のコーズウェイベイ周辺を散策してみた。

オフィスを出てまず、ビルの軒下付近で大雨から避難した人達に遭遇した。安全な軒下があるにも関わらず、濡れながら信号を待つ親子に、無言でそっと傘を差し出す人もいた。雨の通りに躍り出て両手を広げて興奮するピザ屋のスタッフにも会った。行きつけのカフェに行ってみたが、相変わらず客はおらず、スタッフが好奇の目で土砂降りの通りの様子を伺っていた。小学校の頃は台風が来ると学校が休みになるかドキドキしたものだが、香港はよくあの時の気持ちを思い出させてくれる。

 

 

日本であればこう言う大雨の時でも、ほとんどの人が冷静に対処し、コンビニで傘を買うなり、上手に軒下や地下道を利用するなりして、髪の毛までずぶ濡れになったり無謀に傘無しで大雨の中を走るようなことをする人はあまりいない。雨が降れば即座に様々な商業施設の入り口に傘ぽんが置かれ、コンビニなど雨具を扱う店では客が傘等を買い易いように入り口付近に商品を並べる。日本の都会人はズブ濡れになってしまうと、大概行き先の床や椅子も濡らして回ることになるので不名誉だと考えるのではないだろうか。
ほんの10分ほどの間、私が頼んだコーヒーを待つ間に、雨は随分落ち着いていた。帰り道、この僅かな時間に様々な人間模様を垣間見たきがしていた。
香港には色々な人がいる、と改めて実感した時間だった。たまには、雨に濡れてみてもいいかもしれないし、敢えて雨の中傘もささないでいるような人に、傘をシェアしてあげられる、強くしなやかな優しさを持っていてもいい。香港は様々な人種を許容してくれる場所なのだから。

香港人のアイデンティティ

香港人は自分たちのアイデンティティをどうとらえているのだろう。

先日、香港返還時点の香港人アーティストへのインタビューを何本か読んだのだが、彼らの多くが香港に対して現在と大きく異なる見方を持っていたことに驚いた。返還時点では、世界から興味を失われることへの恐怖と、支配から解放された自由への希望、中国に回帰したという安心感などを語るひとが多かった。これは今の世論とは少々異なっている。しかし同時に、制度の転換と変わらない日常の狭間で、自分たちは結局何者になるのかというぼんやりとした問いを抱えていることも記されていた。

Oscar Chan Yik Long 《Like a Ghost/如是者》(2015)

香港人のアイデンティティを規定するのは、おにぎりを食べながら桜を見上げて「日本人で良かった」と安らぐように簡単なことではない。むしろ、中華圏の伝統に垢抜けた西洋文化、そして東南アジアの熱気を併せ持つ混沌そのものがアイデンティティとも言えるだろう。

そのなかでしいて言うなら、香港には固有の観光資源である街がある。海沿いの高層ビルや密集する高層住宅、看板の飛び出す色鮮やかな下町といった街並みは多様さを巻き込んで常に変化を遂げながら観光客を魅了してきた。Quarry bay周辺のマンション郡は最近日本でもSNSを通じて認知度が高まり、観光客がひっきりなしに写真を撮っている。(住宅にはかれらの生活があり、遠慮なく生活圏に踏み込む様子には疑問を覚えるが。)

香港といえば独特の街並みを連想する人がほとんどだろう。Made in HongKongのプロダクトはなくとも、街並みは人と共にある。

土地の狭さゆえにできたこの街並みは観光資源として観光客を惹き寄せる。一方皮肉なことに、その狭さからなる地価高騰は格差のもとにもなり深刻な社会問題となっている。アイデンティティがアイデンティティを潰す構造が出来上がっていると言うのは言い過ぎだろうか。

香港人のアイデンティティはどこへ向かうのだろう。

私が興味を持っているのは、混沌のなかに生きるひとのもつ声だ。結局モノのほとんどない香港を作っているのは人である。多様なものを取り込むことの上手い彼らがそれをどのように消化し、発信していくのかに注目していきたい。

ちょうど香港政府は、今後の成長に優位性のある6産業のひとつとしてカルチャー・クリエイティブを取り上げている。文化の交差点として新たに生み出される反応に、期待が高まる。

OSCAR CHAN YIK LONG: http://www.oscarchan.com/like-a-ghost–229142615932773.html

#香港 #アイデンティティー #住宅 #高層マンション #カルチャー

香港は中国じゃない?

香港に来てから、私は何度もこの言葉を耳にしました。ある時は学生団体のパンフレットを片手に真剣な口調で、ある時は夕食の席での話題の一つとして。香港である、香港人である、というアイデンティティは、ここではとても重要で、それに関しては非常に気を使います。

特に、英語で話をする場合、かなり言葉を選びます。それは、英語では「中国」と「中華」を区別できないからです。日本語や中国語では、「中華文化」といえば中国、香港、台湾の、ごくまれには日本や韓国やベトナムの、共通した一つの文化を指すことができますし、「華人」といえば、中国人・香港人・台湾人、もしくは華僑を指すことができます。「中国人」といえば、(少なくとも香港では)中国に住む人だけを指します。しかし英語では、どちらもChineseなのです。そして香港の人は、Chinaという言葉に非常に敏感です。漢字やお茶や武道のような「中華文化」が好き、と言うとき、「Chinese culture」が好き、というと、相手は確実に、ちょっと微妙な顔になります。こういうときどうするかというと、私は広東語で複雑な会話はまったくできないので、I like Chinese culture, I mean, “中華文化”. と、英語と広東語のちゃんぽんをすることになります。これはけっこう格好が悪いので、広東語をもっと勉強しないとなと思います。

 

とはいえ、Chineseという言葉に対する認識はかなり微妙なところがあるとも感じます。私自身の感覚では、「漢字」を「Chinese character(中国の文字)」と言うのは誰も気にしないようです。そもそも広東語であろうが、日本語であろうが韓国語であろうが、「漢字」=「Chinese character」である、というのが国際的に定着した英訳だからです。それから、香港では話し言葉は広東語でも書き言葉は中国語で、「中文」という単語がそれに対して使われるというのも理由の一つでしょう。

 

…と、細かい区別についてわかった気でいた先日、夕食の席で「Chinese food」はやっぱりおいしいね、と話し、見事に地雷を踏みました。「もしかして、香港は中国だと思ってる? 香港は中国じゃない」と。そもそも言葉の問題ですから、受け取り方は人によってそれぞれでもあると思います。香港人の友人が、「Chinese soup」だよ。とスープを勧めてくれたこともあります。しかし、どの言葉を使うのがふさわしいのか、少し悩んでみるのが、ずっと日本で生活してきた私にとっては、グローバル感覚を理解することに近づくのかな、と思います。

 

自己表出に対する感覚の差異

わたしの今のルームメイトは韓国からきた女の子だ。彼女はメイクアップに1時間近くかけ、インスタグラムの投稿は自分1人の自撮りの割合が高いという典型的韓国女子のイメージを裏切らない。

そんな彼女のインスタグラムを見て最初はたじろいだ。こんなに自分に自信があるということを見せて恥ずかしくはないのだろうか。そもそもなんのために自撮りを毎週のように載せるのだろう?いいねがほしい?綺麗だということを拡散したい?他の友達曰く「暇だと自撮りする」ひともいるらしい。暇だったのだろうか。

以前ルームメイトが他人に撮ってもらった写真を見せながら「わたし、かわいく写ってる?」と真顔で聞いてきたこともあった。(返事はもちろん一択である。)その写真はのちにインスタグラムに投稿されていた。

自分の容姿に自信を持ち、それを恥じることなくむしろ積極的にアピールしていく姿勢は、日本ではなかなか受け入れられない。自意識過剰と言われるのではないかと周囲を気にするひと、自分なんて可愛くないしとかえって容姿に否定的になるひともいる。

香港人の自分写真文化も興味深い。

私の大学の寮では自治委員が中心となってイベントを企画し寮の方針決定に携わっている。そこで驚いたのは、何かの折につけ寮のガラス窓に自治委員の拡大写真が貼られることだ。

みな自信満々にポージングしている。

仮に、毎日拡大された二重アゴの自分と対面するとしたら恥晒しすぎる。ストレスで痩せるかもしれないが。

韓国も香港も自分の顔や容姿を恥らうことなく外に見せるという点では日本と大きく異なる。しかしこの二者の持つ背景は異なっているように感じる。韓国の場合、他者の目あっての自己表出なのだ。数名の韓国の友人と話していてわかったことだが、手をかけて美しくしなければならないという強迫観念にも似た風潮があり、その抗いがたい力によっていかに自分が皆と同等かそれ以上に美しくなっているかを、他人に認めてもらわなければならない。

一方香港の場合、自己表出に他人は関係ない。どちらかというとあまり他人の目を気にしない風潮のため、拡大された自分についてどう思われるかという自意識も薄いのだろう。

自撮りにかんして言えば、この二国に限らず多くの国のひとが好んでポストしている。男性が自分の顔の自撮りをポストすることも珍しくない。むしろ日本のほうが特殊なのかもしれない。最近は自分の写真を上げるひとも増えているが、食べ物や花など他のアイテムと共に写っていることがほとんどで、顔のみの自撮りはあまり見ない。アイテムを使わなければ自分を堂々とポストできないのだとしたら、そんな日本のほうが計算高い、あるいは歪んでいるのかもしれない。

「モアナと伝説の海」ポスターのローカライゼーションに見る表現の差異

香港では映画の宣伝ポスターや電子広告があらゆるところに存在する。

同じ映画のポスターでも国によって異なるということをわたしは最近まで知らなかった。その国のマーケティング戦略にあわせて少しずつ変えているらしい。

日本の差異が指摘される時は大抵、映画の意図を大幅に歪曲しているという否定的な意見が多いようだ。

最近公開されていたディズニーの新作アニメーション「モアナと伝説の海」(原題”Moana”)もその傾向が見られる。

まず香港の宣伝ポスターは、今回のプリンセスであるモアナと旅の道連れマウイが並んで立っている凛々しい姿だ。これは香港以外でもほぼ同じである。モアナの溌剌とした力強さが伝わってくる画と言えるだろう。

香港の映画情報サイトWMOOVに映画紹介として載っている他の画面も、モアナが勇ましくオールを持つ姿などが見られる。

一方、日本版のポスターを見てみると、モアナが手でハートを作っている。マウイの姿はない(後ろの鳥がマウイの変身姿らしい)。本編の中にハートを作るシーンはそもそもない。

日本ではディズニープリンセスといえば可愛らしく優雅であるというイメージ戦略を打ち出していきたいようだ。しかしアナと雪の女王ではっきりとわかったように、近年のディズニープリンセスはもはや旧時代的な「白馬の王子様を待つ受身なお嬢様」ではいられない。それでも未だ日本でそのイメージを押し出す必要はあるのだろうか。

いかつい人間姿のマウイが消し去られてしまったのも、そのイメージを維持するためと考えられる。(刺青の印象が社会的に悪いためという説もあるが、どちらにせよ軽い扱いになったであろうことは想像に難くない。)

マウイの扱いの軽さに関してはこのデザインでさらに顕著に現れている。

完全に消し去られているのだ。

ディズニーが現代の風潮を巧みに取り込んで作り上げた作品の意図が薄れてしまうという点で残念な改変だと感じた。何より、日本人の感度をもう少し信じても良いのではないだろうか.

引用

http://wmoov.com/movie/photos/32541/6

http://www.disney.co.jp/movie/moana.html

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#モアナと伝説の海