【香港図鑑61】🛍️ 閉店セールという風景

街角に貼られた**「結業大減價(閉店セール)」**の赤い張り紙。

「結業」とは、商売をたたむこと。
仕入れをやめ、在庫を減らし、看板を下ろすという意味です。
この場合は、少しでも残った商品を売り切りたいという思いから、値下げが行われているのでしょう。

今回見かけたのは、ある乾物屋さんでした。
1月15日をもって閉店と書かれていたのですが、写真を撮ったのは1月19日。
まだ営業を続けている様子でした。

こうした**「閉店後の営業」**は、香港ではときどき見られる光景です。
はっきりした理由はわかりませんが、商品が残っていたり、事情が変わったりして、閉店予定日を過ぎても営業が続いていることがあります。

乾物屋という業態自体、近年は厳しい状況にあるようです。かつてはどのエリアにも当たり前のようにあった店舗が、再開発や商業施設の集約、流通の変化といった影響で、徐々に減ってきています。専門性が高く、商品知識も必要なため、後を継ぐ人の少なさもあるのかもしれません。

この店にも、海産物の乾物や漢方素材のような品が棚に並んでいました。
包装はどれも簡素で、値札は手書き。店の人がいつも通りの手つきで品出しをし、通りすがりの人が立ち止まっては、何かを見ていきます。

「もうすぐ閉めます」という張り紙の下、棚には乾物がいくつも並び、店の人はいつも通り、店先に立っていました。

1月15日と書かれた閉店の日付は過ぎていましたが、店は、まだ開いていました。

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