Posted on 2017年7月7日2019年7月29日 by tya女性のキャリア 私が香港の大学に留学していた時、女の子の友達によく将来のキャリアパスについて質問されました。その子たちが大学一年生なのか二年生なのか学年は関係なしに。彼女たちの答えは、大学院に行くべきか迷っている子もいれば、「アジアの様々な国の金融機関で働きたい」などの大きな具体的な夢を持っている子もたくさんいました。大学で良いGPAを取るために一生懸命勉強したり、長期のインターンや海外でのボランティアに挑戦していたり、将来のために努力をしている子がいっぱいいました。 当時大学3年生なのにも関わらず、留学後の具体的な将来の目標がないことに私はその時とても焦りを感じました。 それと同時に香港の女性は、結婚後も仕事を辞めることはほとんどない、と言う事実を知り衝撃を受けました。 日本では、女性が大学を卒業していたとしても結婚後にキャリアをストップし、専業主婦になるのが一般的だと思ったからです。 香港政府によるHong Kong Women in Figuresによると、香港の結婚平均年齢は29歳。25-29歳のグループでの女性就労割合は83.4%。そして30-34歳のグループでは76.4%と少し減少するも、49歳まで70%台をキープしています。 対する日本人女性労働力率では、「M字カーブ」と呼ばれるグラフの形が特徴だと言われています。「M字カーブ」とは、30代の女性が結婚・出産を機に仕事を一度辞めてしまい、労働率が一時的に低下しその後再び上昇するMの形をしたグラフのことを指します。78%ある25-29歳の労働力率がその後、一気に70%69%とおよそ10%減少してしまいます。 香港に住む女性が社会で活躍できる背景としてあげられるのが、世界のトレンドに続く男子学生に引けを取らない女子学生の大学・高等教育を受ける高い割合や家庭内でのアマさんの家事・育児のお手伝いが一般的に普及している、などの理由が考えられます。また、そもそも家賃が高いため共働きでないと生活費を稼げない、と言う風潮もあると思います。 そして、香港では2004年のデータと比べ女性の管理職の割合が26%から10年で33%へと上昇しているのも女性の社会での活躍の可能性を高めていると思います。 一方、日本は女性の就業状況が香港とほぼ同じであるにも関わらず、管理職についている割合はわずか11%という統計結果が出ています。この結果は日本の社会環境が女性が働くことにが対してまだまだ適切な環境を用意できていないことを示唆しているのではないでしょうか?“女性は結婚したら養ってもらうもの“という考え方が社会全体に根付いていて、生涯に渡って働き続ける意識を持つこと、家庭でも仕事の場でもを男女が平等にいられること、そのための用意を社会がきちんと整えること、が現実になるにはまだまだ時間がかかりそうです。 女性が生涯働き続けキャリアを築く事がごく普通な香港。 ここで出会った友達は、私の将来のキャリアパスに大きな刺激を与えてくれただけでなく、もう一度自分のキャリアについて真剣に考え直す機会を与えてくれました。 私も将来、香港で仕事を頑張る女性のように、日本のみならずアジアで活躍できる女性になりたいです。 <資料> http://www.women.gov.hk/download/research/HK_Women2015_e.pdf http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/gaiyou/html/honpen/b1_s00_01.html