アドビ システムズが米・英・独・仏・日の18歳以上、約5,000人を対象とした2016年のオンライン調査によれば「最も創造性が高いと思う国は日本(36%)都市であれば東京(30%)」という結果が出ています。
ところが同社が行った別の調査(米・英・独・豪・日のZ世代*とその教員を対象)では、日本のZ世代で自分を「創造的」だと回答したのは8%のみ、その教員に至っては僅か2%にとどまりました。他の4カ国のZ世代は少なくとも37%以上が自分たちは創造的だと自覚しており、彼らの教員たちは少なくとも25%は自国のZ世代を創造的であると評価しています。
*日本のみ12−18歳、他国は11−17歳
また同じ調査で、「創造性が求められる仕事や職業はたくさんあると思いますか?」という質問に対して「ほんの一握りしかない」と回答したのが69%、「ある」と回答したのが僅か31%でした。他の4ヶ国ではいずれも創造性が求められる職業がたくさんあるという回答が大きく上回っています。
実は冒頭の18歳以上を対象にした調査の方でも、日本人は全体の僅か19%が自分を創造的だと回答したにとどまりました。
このような認識の差はどこから生まれるのでしょうか?
創造性と聞くと多くの日本人はアートや芸術のような特殊な才能を求められている、と身構えてしまうのかもしれません。その結果、創造性とはどこか自分の住んでいる世界とはかけ離れたもの、関係のないものだと思ってしまうのかもしれません。
外から観察する側が「創造的だ」と思い、一方で内から観察する側は「創造的でない」と思い込んでいる。面白い現象です。
面白い現象である一方で、このようなギャップはお互いに取って多くの機会損失を生んでしまうような気がします。「創造的である=良いもの」を求めている人たちに効率よく素晴らしい商品を使ってもらったり、もっと最上の体験を味わってもらうということにもっと積極的になるべきです。
積極的に自らの良さを理解し、咀嚼し、プレゼンすることで、それらを求めている相手からもっともっと日本や日本の文化を好きになってもらう。一方で私たちの側も安易に「安くてもいいものを提供する」ことを追求するのではなく、努力や価値に応じた対価を受け取り、気持ちの面でも富の面でも豊かになっていく。
そうなっていくためにも、調査の回答に見られるような「我々は創造的ではない」という認識から抜け出し、日本の至る所に発見することができる「創造性あふれるもの」(自然、美術、デザイン、ファッション、食、芸術、プロダクト、サービス、伝統、歴史、等々)を再認識することが必要なのではないと思います。
情報・コミュニケーション・体験のかたちはますます変わり続けていくはずです。自らの意識を変えることで、日本の素晴らしい創造性に更に磨きをかけ、世界に広げていく。同時に若い世代の日本人が胸を張って、どんどん世界に出ていけるようになる。TYAも海外に展開する日本の企業として日本DNAに根ざしたデザインを提供していきたいと思います。
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アドビシステムズ・2017
Z世代クリエイティビティ調査
:http://www.adobeeducate.com/genz/creating-the-future-JAPAN
アドビシステムズ・2016
調査レポート
:http://www.adobe.com/aboutadobe/pressroom/pdfs/Adobe_State_of_Create_Global_Benchmark_Study.pdf