日本薬品の評判と香港市場への挑戦
日本製の薬品はその品質と安全性の高さで、海外市場、特に香港で広く信頼を得ています。香港の薬局やドラッグストアを訪れると、「MADE IN JAPAN」と書かれた製品が棚にずらりと並んでいます。ビタミンサプリ、風邪薬、スキンケア商品など、多様な日本製品が消費者の目を引いている様子は、日本の中小企業が香港市場で一定の評価を得ている証と言えるでしょう。
そして今、円安による価格競争力の向上を背景に、さらなる市場参入が進んでいます。特に中小企業にとっては、香港は中国本土や東南アジア市場への玄関口ともなるため、ここでの成功は大きなビジネスチャンスに繋がる可能性があります。ただし、その挑戦には期待とともに課題もあるようです。
これは日本人として「手に取りづらい」
香港市場に並ぶ日本製薬品のパッケージを見ていて、ふとこんな違和感を覚えたことはありませんか?一見すると日本の商品らしく見えるけれど、よく見ると「ん?これ、本当に日本の薬なのかな?」と思わせるような部分があるのです。
その最たる例が、パッケージに使われている「日本語表現」です。例えば、インフルエンザ用の薬が「インフルエンザ錠」、咳止め薬が「咳止めの錠」、頭痛薬が「ずつう錠」、歯痛薬が「歯痛の錠」といった具合に表記されています。これらの表現は、明らかに日本人が日常生活で目にする商品名とは異なりますよね。「○○錠」といった表記は、日本人にはあまり馴染みがなく、どこか違和感を覚えます。そして、続くボディコピー(製品の説明文)には文法の誤りや意味が曖昧な文章が見受けられることも少なくありません。
さらに、パッケージに大きく「Formula from Japan」と書かれているのを見ると、「本当に日本製なんだろうか?」という疑念がわきます。中身は日本で作られたものかもしれませんが、こうした不自然な日本語表現を見ると、「どこか怪しいなぁ、大丈夫なのかなぁ」と思わずにはいられないのです。私たち日本人にとって、パッケージのデザインや表記は商品の信頼性を判断する大きなポイントです。そこに違和感があると、どうしても手を伸ばしづらくなってしまうのです。
ただ、多くの香港人にとっては、正しい日本語かどうかはそれほど問題ではないのかもしれませんね。