― 欲望と不安に仕掛けられたマーケティングの“裏側”
「イーロン・マスクが推奨する新しい投資法」「Xトークンがついにローンチ!」
こうした広告をSNSや動画サイトで見かけたことはありませんか?🚀🪙
一見、信頼できそうな著名人の写真やロゴが使われているため、ついクリックしてしまいそうになる。
でも、よく見ると出所が不明だったり、リンク先が怪しかったり……。
これは、典型的な詐欺広告のひとつであり、巧妙な心理戦略によって私たちの判断力を鈍らせているのです。
🎯 “興味”と“希少性”を突く巧みな誘導
詐欺広告の基本戦略は、人間の心理のスキマをついてくることにあります。
特に多く見られるのが、以下の2つの感情を刺激するパターンです。
1. 興味(好奇心の扉を開けさせる)
- 「あの有名人がついに仮想通貨に参入!?」
- 「政府が隠していた新しい投資法が明らかに!」
一見すると情報の真偽は不明でも、「気になる」「見てみたい」と思わせる表現が並びます。
こうして、ターゲットの注意を引きつけ、クリックというアクションへ導いていくのです。
2. 希少性(今だけ・あなただけ)
- 「先着500名限定!」
- 「今すぐ申し込めば◯◯が無料!」
これは、マーケティングでもよく使われる「FOMO(Fear of Missing Out=取り残されることへの不安)」を煽る技術。
ただし詐欺広告では、それが虚偽の情報に基づいて行われる点が問題です😟
📜 古典的な詐欺との共通点
このような心理操作は、実は昔から存在していました。
たとえば、かつて大量に送られていた「ナイジェリアの王族からのメール」。
- 「あなたにしか頼めない」
- 「秘密裏に大金を動かしたい」
荒唐無稽に思える内容でも、“特別な存在”として扱われることで人は心を動かされるのです。
こうした手法は、現代の詐欺広告にもそのまま応用されています。
🌐 SNS時代の“拡散型詐欺広告”
近年の詐欺広告は、より洗練され、より拡散力を持つようになりました。
SNSの「シェア」「リツイート」「いいね」機能を悪用し、
ユーザー自身が**“加害者にもなり得る”構造**になっているのが特徴です。
例:キャセイ航空の偽キャンペーン広告✈️
- 「航空券が1枚たったの100円!?」
- 「本日限定、先着順!」
驚きの価格と信頼あるブランド名を組み合わせ、多くの人が“お得情報”としてシェアしました。
結果、短時間で何万人にもリーチし、詐欺サイトへと大量のアクセスが流れたのです。
情報の拡散は早く、検証は追いつかない。
この構図こそが、SNS時代の詐欺広告の厄介なポイントです。
🔍 次回予告:拡散の構造を“マーケティングの視点”で解剖
今回ご紹介したように、詐欺広告には人間心理の巧妙な利用が隠れています。
次回は、実際に話題となった偽キャンペーン広告が、
- どうやってユーザーの信頼を得たのか
- なぜ短期間でシェアされたのか
- どんなマーケティング手法が悪用されたのか
を、マーケティングの視点から分解・分析していきます!🛠️👀(続)