【マーケの種160】お茶づくりに見る、日本の手間とブランド力(2)

茶葉を覆う黒い遮光ネットを手作業で丁寧に整える農作業中の人物

日本茶の製造工程であらためて心を打たれたのは、職人たちが惜しまず注ぎ込む**「手間」という価値です。たとえば刈り取りのわずか1週間前**、茶園では“ゴミ飛ばし”と呼ばれる繊細な作業が行われます。

茶葉の上に積もった微細なホコリや落ち葉をブロワーで丁寧に飛ばし、仕上がりの品質を守るための下準備です。こうした目に見えない工程の積み重ねが、一杯のお茶の透明感や香りの深さにつながっているのだと思うと、なんだか胸が熱くなりました (;ᴗ;)

さらに印象に残ったのが遮光ネットの存在です。光を80%遮ることで、茶葉は限られた光を必死に吸収し、クロロフィルを過剰に作り出します。その結果、生まれるのはあの鮮やかな緑と、まろやかで濃厚な旨味。自然に任せっぱなしではなく、人が“環境そのものを設計する”ことで品質を引き上げていく。ここに日本農業の底力、そしてブランド力の源泉のようなものを感じました。

そして忘れてはならないのが収穫期の労働負荷です。たった200平方メートルの茶園を整えるだけで、丸一日が消えていきます。年に一度しかない収穫のために、臨時の人手を確保し、天候を見ながら最適なタイミングを逃さない。農家の方いわく、「一度でも遅れれば一年が無駄になる」とのことで、その緊張感に思わず背筋が伸びました。

日本茶が世界市場で“高品質”として評価され続ける理由は、決して偶然ではありません。**手間を惜しまない文化、自然と向き合う姿勢、そして細部へのこだわり。**現場を歩いてみると、そのすべてが一本の茶葉に凝縮されていることがよくわかります。(続)

■参考記事:山本山”茶の木に覆いをかける理由|「被覆栽培」について徹底解説”

■マーケの種シリーズ。こちらの記事もぜひお読みください→【マーケの種68】UXデザインとUIデザイン③