【マーケの種102:TPOとマーケティングの関係①】

TPO マーケティングの概念を象徴する、ハートの女王のコスプレをした女性。個人の「好き」を貫く自己表現が鍵であることを示している。

👕「40歳過ぎたらパーカー禁止」論争、日本ならでは?

「年齢に応じた服装を」と言われることが多い日本。 SNSでは「40歳過ぎてパーカーは痛い」なんて話が話題になることも👀。 周囲の目を気にする文化、TPO(時・場所・場合)を重んじる価値観が背景にあるのでしょう。

でも不思議なのは、TPOに厳しいはずなのに、他人のTPOにはやたら口を出したがるということ。 「若作り」「みっともない」といった言葉には、“自分ルール”の押しつけが垣間見えます。

この「自分には厳しく、他人にも厳しい」空気。 これって、ちょっと居心地が悪く感じる人もいるかもしれませんね🤔


🧢 香港はもっと自由?服装へのツッコミと自己肯定力

一方、香港ではこんな場面もよく見られます:

👭 友人「それ、あんま似合ってないかも〜」 👩‍🦳 本人「でも私が好きだからいいのよ〜😆」

…というやりとり。率直なフィードバックと、受け流す力のバランスが絶妙です。 「似合う/似合わない」よりも、「自分が好きかどうか」が優先される文化。 このスタンスは、ファッションだけでなく、ライフスタイル全般に表れています。


🎯 マーケティング視点で見ると…

この文化の違い、マーケティングにどう影響するのでしょうか?

日本では、TPOや年齢を意識したペルソナ(例:30代後半、オフィス勤務、落ち着いた色味を好む)を設計しやすく、**「共感されるライフスタイル像」**が比較的明確です。

しかし、香港では…

🧓 65歳のジェニーさん 💎 ギャル系ファッションが好き 🏬 宝石店を経営 📱 TikTokで週3投稿中

…というような、常識にとらわれないパーソナリティが珍しくありません。

つまり—— ペルソナ設計が難しい=ターゲットが読めないという悩みがある一方で、 個人の「好き」をベースにした購買行動が強いため、商品自体の魅力で“刺さる”可能性が高い市場でもあります💡


🛍️ 「誰に売るか」より「どう響くか」

香港では、「年齢別」「性別別」よりも、価値観ベースのマーケティングが有効。 つまり、「この商品、こういう人に売れるだろう」ではなく、 **「このメッセージ、誰にでも刺さる可能性がある」**という設計が求められます。

細かいターゲティングが難しいぶん、 ✔️ ブランドの世界観 ✔️ 商品のストーリー ✔️ 感情を動かす表現

が、よりいっそう重要になるというわけです。


🤝 文化の違いを、戦略に変える

国や都市によって、TPOの概念も、自己表現の自由度も異なります。 でもその違いこそが、マーケターにとってのヒント。

「この人に売る」ではなく、 **「この街で、どう響かせるか」**を考える視点が、ますます重要になっていくのではないでしょうか?


次回は、香港で実際に行われたあるマーケティング施策を例に、 「価値観ベースのアプローチ」の実践的な方法を見ていきます📊(続) マーケの種シリーズ。こちらもいかがですか?→【マーケの種27】正露丸 – 100年ブランドの信頼