ボタンは何故かけ違う?④〜マーケの種64

― 継続できなければ、ブランドは育たない

(承前)

前回お伝えした老舗メーカーの事例から見えてきたのは、コンテンツマーケティングの継続性がいかに重要かということでした。 どれほど意欲的にスタートしたプロジェクトでも、チーム内で長期的な視点が共有されていなければ、やがて形骸化してしまう。 そしてその背景には、担当者任せの運営体制と、短期成果への偏重が横たわっています。

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🔁 Why Are Buttons Misaligned? ③ — Seeds of Marketing #63

— Is continuity really broken by just one person’s decision? (continued from previous entry) This time, I want to highlight a case of misalignment that occurred at a long-established manufacturer. Although the company had a strong market share and a reputation for product quality, signs had begun to emerge that their traditional approach was no longer resonating with a new generation of customers.
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【香港図鑑63】竹足場というアート

― 高層都市に息づく、しなやかな伝統

香港の街を歩いていると、目を奪われる風景があります。それは、超高層ビルの外壁を覆うように組まれた、網目状の竹足場。細い竹が、まるで建物に寄り添うように、空へ向かって軽やかに伸びていく。この光景を初めて目にした訪問者は、思わず足を止めて見上げることでしょう。

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🔁 ボタンは何故かけ違う?③〜マーケの種63

― 継続を止めるのは、誰か一人の判断なのか?

(承前)

今回取り上げたいのは、ある老舗メーカーで起きた“ズレ”の例です。業界内での市場シェアは高く、製品力にも定評がある企業でしたが、近年、顧客層の世代交代が進み、これまでのアプローチが徐々に届かなくなっている兆しが見えていました。

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【香港図鑑62】🌀 渦巻き型線香のこと

香港の寺院を訪れると、天井から吊り下げられた渦巻き型の線香が、ゆっくりと煙を上げているのを見かけます。

その姿は、どこか空に向かって祈りが昇っていくようにも見え、印象に残る風景のひとつです。

この渦巻き型線香は、日本ではあまり馴染みのないものですが、香港では道教や仏教の儀式で広く使われています。

長時間燃え続けることが特徴で、ひとつの線香が数時間、あるいはそれ以上も燃え続けるため、大規模な祈願や供養に向いています。

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🔄 ボタンは何故かけ違う?②マーケの種62

― 短期広告と長期ブランディングのあいだで

前回取り上げた、大手メーカーとのSNS施策に関する事例。 派手な広告キャンペーンが最終的に選ばれたことで、私たちが提案した中長期的なブランディング戦略は採用されませんでした

この出来事は、単に施策の優劣というよりも、「何をもってブランディングとするのか?」という視点のズレが、意思決定の根本にあったことを物語っています。

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🤔 ボタンは何故かけ違う?〜マーケの種61

目指す場所は同じはずなのに

ある日、ある大手メーカーのGM(ゼネラルマネージャー)から、Instagramを活用したユーザーエンゲージメント施策の相談を受けました。ブランドの認知を高めたい──その目的は共有されていました。

そこで私たちは、SNSならではの距離感や、共感を軸としたブランディング戦略を提案しました。動画コンテンツによる日常的な発信、ブランド哲学を伝える投稿、ユーザーとの対話を促す企画。短期的な数字よりも、中長期での信頼構築を重視した設計です。

しかし、最終的に選ばれたのは、まったく異なる方向性でした。

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