【マーケの種47】デザイナーはなんでもデザインできる?②

🖥️紙ものが得意なデザイナーに、WEBサイトやアプリのUIデザインをお願いしてみたら、なんだか使いづらい画面に仕上がってしまった…というケース、実はよくあります。逆も然りで、UI/UXに精通したデザイナーが作った広告ビジュアルが、どこか無機質で「伝えたい温度感が出てこない」ということも。どちらも“デザイン”ではあるのですが、求められるスキルや思考のプロセスがまったく違うんですね。

📄チラシ制作でも似たようなことが起こります。ビジュアルとキャッチコピーのバランス感覚に優れたデザイナーが、情報量の多いカタログ型のチラシを一から編集・設計するのは、実はとても難しい仕事です。単に要素を詰め込むのではなく、読み手の導線を考え、視線の流れに沿った構成を組まないと、見づらくて伝わらないチラシになってしまいます。逆に、情報設計が得意なデザイナーだと、ぱっと目を引く広告的な見せ方が苦手だったりします。

💡「デザイナーなら、どんなジャンルでも対応できるはず」と思い込んでしまうと、プロジェクト全体の効率が落ちるばかりか、関係者の間で無用なストレスが生じることもあります。重要なのは、デザイナー本人の得意分野や経験領域を見極めること。誰に、何を任せるか。その判断ひとつで、アウトプットの質も、チームの推進力も大きく変わってきます。

次回は、こうした問題を「内製化」の観点からどう捉えるかを、もう少し掘り下げてみたいと思います。(続)