【香港図鑑19】日本風のお店の名前


■ 店名で分かる“日本らしさ”の試行錯誤

ただし、こういった和食レストランの店名を見ていると、日本人としては「ん?」と首をかしげてしまうものも少なくありません。中には、明らかに「これは日本人が名付けたものではないな…」と感じる名前も散見されます。例えば、「富士山×すき焼き」や「江戸ラーメンファクトリー」といった、日本文化の要素を無理やり詰め込んだような名前や、漢字とカタカナが奇妙に組み合わさったものなど。一生懸命日本らしさをアピールしているのは分かるのですが、その意図が空回りしてしまっているケースもあり、微笑ましい気持ちになることも。

そんな中、先日訪れた香港で、思わず笑いを堪えきれなくなった店名がありました。それが「豚寿司」です。一瞬、「豚肉を使ったお寿司なのかな?」と思ったのですが、よくよく考えると、香港では豚肉を「猪肉」と表記するのが一般的。そのため、実際には豚肉とは関係がなく、単純に「豚」という言葉のかわいらしさを狙ったネーミングだったのかもしれません。

確かに、「豚」という漢字にはどこか愛嬌があり、少しコミカルで親しみやすい印象を与えます。香港では、こうしたユニークな店名が消費者の目を引くための戦略として採用されることも多いようです。そのため、街を歩いていると、ほかにも「えっ!」と思わず二度見してしまうような和食店の名前に出会うことがあります。


■ ぜひ街歩きでユニークな発見を!
香港での和食ブームは、味や雰囲気だけでなく、店名やメニュー名といった「文化的なズレ」も含めて楽しめるのが面白いところです。街を歩いていると、思わず笑ってしまうようなユニークな店名や、ちょっと変わったメニューに出会うことがあるかもしれません。

「豚寿司」のように、意図は分からないけれどどこか愛嬌があり、親しみを感じるネーミングセンスに出会うと、旅の楽しさも倍増します。それは単なる観光ではなく、香港における日本文化の受容や解釈を垣間見ることができる貴重な体験と言えるでしょう。

香港を訪れる際は、ぜひ街中で「面白い店名」を探してみてください。「これはどういう意味なんだろう?」と考える時間も、旅の楽しいひとときになるはずです。そして、もし気になるお店を見つけたら、ぜひ勇気を出して一歩足を踏み入れてみてください。そこには、意外な発見や美味しい料理が待っているかもしれませんよ!😊