【香港図鑑29】山中に眠る廃車たち 🚜🍃

香港の山や森には、放置された車やトラクターがひっそりと佇む光景をよく目にします。

もしかしたら、これらの場所は個人や私企業が利用しても問題のない土地 なのかもしれません。このまま、さらに10年、20年 と時が経てば、車やトラクターは少しずつ朽ちていき、自然の一部 と化していくのでしょう。周囲には植物が繁茂し、花の蜜を求めて蝶が舞い、少し離れた沼地からはカエルの声が聞こえてきます。

自然に飲み込まれるその姿 は、どこかジブリ映画のワンシーン のようで、不思議な美しさを感じさせないでもありません🌱。

とはいえ、こうした産業廃棄物の放置 は、もちろん良いことではありません。しかし、これは行政側が見つけたとしても、撤去・運搬・廃棄 というプロセスが非常に大変です。ましてや、誰が捨てたのかわからない となれば、司法手続きも難航するでしょう。

そして考えさせられるのは、日本では長い間、このような行為や人の見ていないところでの盗難 などはほとんど見られない社会でした。それは、多くの人が一定の倫理観や価値観を共有 できていたからでしょう。

香港の山中で見かけた小さな事例をきっかけに、ここまで話を広げるのもどうかと思いますが、最近の日本の状況 を見ると、規範や共通の認識が一度崩れると、社会の風景はまったく違ったものになってしまう のだと痛感します。

願わくは、世界のどこでも美しい山河を、国土を。そして整然とした公共空間を 🌏