先日、香港の陸上競技のクラブチームの練習にお邪魔してきました。僕は日本の大学でも陸上部に所属しており、せっかくだから香港のチームで練習してみたい! と思い、香港入りした次の日から観光地巡り、ではなく競技場巡りをして、今のチームにたどり着きました。今日はこのチームで感じた香港のエコシステムがどのように成り立っているのか、陸上競技という目線から見てみたいと思います!
〜チーム構成〜
僕が参加させてもらっているのは、香港でもトップクラスのアスリートが集まっているチームです。僕はハードル種目を専門にしていますが、ここは僕を含めて4人しかいません。そこにハードル種目を専門にしているコーチが1人付いているので、指導を受けられる時間も多くなります。
ここは日本と大きな差を感じました。僕の大学では、ハードル種目をしている人だけで10人近くいます。そこにコーチは1人。もちろん日本でも指導は受けることができますが、コーチが自分たちに割いてくれる時間は香港のチームと比べるとどうしても差が出てしまいます。
〜練習の様子〜
ここは香港人の特徴がよく表れていると思いました。練習内容はとても効率良く仕上がっています。そして余計なものは削ぎ落とされています。しかし、決して練習をサボるわけではありません。彼らはテンポよく自分がしなければいけないことに対して真剣に取り組んでいました。少人数だからこそ、練習内容の目的の共有もはっきり伝えられていました。
どちらも練習内容自体に大きな差はないのですが、課題に対するアプローチの違いが顕著に表れているように感じました。香港では自分の課題を解決させるために全員を巻き込んで考えることもしばしば。日本では周りを巻き込んで自分に時間を割かれることを気にしてしまい、課題解決は内向き思考になりがちのように思いました。
〜集合時間〜
もちろん、日本のエコシステムのほうが優れている点もあります。一番実感したのは時間厳守です。日本では練習時間までには必ず全員集まっています。僕の大学では下級生は全体の集合時間の30分前に集まらなければいけない、などの規則があるほどです。しかし、香港のチームには時間厳守という概念がないみたいです。彼らは集合時間から20分も30分も遅れてやってきます。そして何も言うことなく練習に加わります。面白いのが、全員が到着するまで待つところでしょうか。正直驚きました。
ここまで日本と香港のエコシステムの違いについて僕なりに感じたことをまとめてきました。最後に、なぜ香港のチームは突然やってきた僕を受け入れてくれたのか、について少し触れておきます。これは僕と同じで、外の環境ではどのような練習をしているのかということが気になったからだと聞いています。自分の持っているものをアウトプットし、相手の持っているものをインプットする。今までの過ごしてきた環境が違うからできることです。
この作用はお互いにとって間違いなく結果の向上に繋がっています。異なる環境や感覚を持っている人たちとつながりを持つことは本当に大切なんだなと改めて実感した瞬間でした。