ファネル活用術 (1)〜マーケの種42

マーケティングの世界でよく使われる「ファネル」という考え方。これは、顧客が商品やサービスを知り、興味を持ち、比較・検討を経て最終的な行動(購買など)に至るまでの流れを示したものです。一般的に、**「認知」「興味」「比較・検討」「行動」**という4つのステージに分けられ、それぞれの段階で適切なアプローチを取ることが成功の鍵となります。

しかし、実際のビジネス現場ではどうでしょうか? 多くの事業主が特に注力するのは、「認知」と「行動」のステージです。つまり、できるだけ多くの人に商品を知ってもらい(認知)、その中から直接購買へとつなげる(行動)ことが優先されがちです。特に昨今はGoogleのP-MAXなどの広告自動生成ツールが普及し、広告を出せばすぐに成果が得られるという期待感から、「購買=行動」を最優先するケースが増えています。

もちろん、広告運用を最適化し、効率的に購買へとつなげることは重要です。しかし、それだけでは十分とは言えないことも多いのです。なぜなら、すべての顧客が即座に購入を決断するわけではないからです。むしろ、ほとんどの消費者は「興味」や「比較・検討」の段階を経て、ようやく最終的な判断を下します。このプロセスを無視してしまうと、せっかく認知を獲得しても、購買に至る前に離脱してしまう可能性が高くなります。

では、どうすればいいのでしょうか? 興味を引き、比較・検討を促し、購買意欲を高める工夫が不可欠です。例えば、見込み顧客に有益なコンテンツを提供することで、ブランドへの信頼感を醸成したり、競合製品との違いを分かりやすく示したりすることが有効です。また、リターゲティング広告やメールマーケティングを活用し、適切なタイミングで情報を届けることも、比較・検討の段階を補強する有力な手段となります。

あなたのマーケティング戦略では、この「興味」や「比較・検討」のステージをどのように補強していますか? 次回は具体的な施策について詳しく解説します。(続)