香港のMTR構内に掲示されている広告を見ていると、なんだか威圧感を覚えることがある。
じっくり考えてみて、その理由に気が付いた。それは広告の中のモデルが皆、こちらの方を見ていることだ。あの人も、この人も、その人も!
調べてみると、多くの広告に人物の顔が用いられているのは、人の目線が「顔」を優先的に認識するという特性を活かし、効果的に意識を向けてもらうためらしい。人物の顔を用いることのメリットはわかったが、モデルの視線による影響は何だろうか?
下の2つの薬の広告を比較して考えてみた。
左が香港で右が日本の広告である。
香港のモデルはまっすぐにこちらの方を向いている。読者に視線を向けることで瞬間的な認知作用を高めているのかもしれない。しかし、肝心な商品は隅に追いやられて存在感がなくなってしまっている。文字も統一感がなく、一番伝えたいメッセージが何なのか見えてこない。
一方で、日本のモデルは目線を上の方に向けている。その目線の先にはキャッチコピーが大きく書かれており、読者の視線を誘導してメッセージを伝えようとしている。商品が目立つように周囲の文字の数や大きさも十分に考慮されている。
こうして見ると、商品やキャッチコピーが印象に残りやすいのは明らかに右の広告だろう。実際に、「広告を見ている人は、広告の中のモデルが見ているところに注目する。モデルがまっすぐこちらを見ている場合はただその顔に注目するだけで、他へは目を向けない。」という実験結果もあるのだそう。
つまり、キャッチコピーや商品画像は、人物の目線の先に配置するのが効果的だということだ。確かに考えてみれば広告の人物の視線を無意識に追っていた。
そうなると、情報量の多い香港の広告は人物の視線を注目してほしい情報に向けた方が良いのではないだろうかと思った。いや、でも結局、情報量が多すぎて却ってインパクトが少なくなってしまうのかもしれない。
要はバランスが一番大事で、そこが広告デザインの腕の見せ所なのだろうと思った。
廣告人物究竟在看哪?!
香港地鐵裡的廣告總給人一種壓迫感。
仔細思考了一番,終於發現原因所在。
那就是各個廣告人物貌似都望著我!
據調查,眾多廣告採用人物形象的理由是利用了人的視線總是優先識別人臉這一特性,從而達到提高關注的效果。
在理解了人臉效應的優勢後,廣告人物視線造成的影響又是如何呢?
請試比較以下兩個醫藥品牌的廣告。(左:香港,右:日本)
香港廣告中的人物視線直接望向觀眾,可能起到瞬間提高關注的作用。但是最重要的產品部分卻被放置一邊,存在感極低。再加上文字格式不統一,導致最想要傳達的信息部分不明確。而日本廣告中的人物則視線朝上。在視線所向之處大大地標註著宣傳語來引導觀眾的視線,從而傳達關鍵信息。為突出顯示產品部分,對其周圍的文字數量及大小也進行了周全考慮。
這樣比較下來,顯然是右邊廣告中的產品信息、宣傳語更令人印象深刻吧。其實也有實驗表明“看廣告的人通常傾向於跟隨廣告中人物的視線方向。如果廣告人物只是單單注視著前方,那麽觀眾自然也只會注意到模特的臉而忽視其他。” 也就是說將宣傳語或產品圖片擺在人物視線望向的位置會較為有效。
在看廣告時確實會下意識追隨廣告中的人物視線。這樣的話,信息量巨大的香港廣告是否也該使人物視線望向想要傳達信息的方向呢?但是終究會因為信息量過大而失去該有的衝擊感吧?我想重點還是要保持廣告設計的平衡感吧。
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