日本の大学は海外の大学に比べて、マーケティングの力が弱いという話をしようと思っていたのですが、リサーチ中によく登場してくる「世界大学ランキング」について気になったので少し書こうと思います。皆さんの出身大学は何位にランクインしているのでしょうか?
まずは近年の東大、シンガポール国立大、香港大学、オックスフォード大学のランキングを見てみましょう。
オックスフォード大は2011年の6位から順位を伸ばし、今年は堂々の1位です。アジアに目を移してみると、2011年は香港大、2012~2013年は東大がアジアのトップとして君臨していましたが、2014年以降はシンガポール国立大に抜かれ、今年はシンガポール国立大22位、香港大40位、東大46位となっています。
ちなみに香港のその他の大学も順位を伸ばしています。(2017年から2018年)
-The Chinese University of Hong Kong 76位 → 58位
-Hong Kong University of Science and Technology 49位 → 44位
・項目から考える日本の弱み
世界大学ランキングを作成しているイギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーション社(The Times Higher Education)は、幾つかの項目ごとに採点し順位付けしています。その項目とは、以下の5つに大きくは分かれています。
-
Teaching 30%
-
Research 30%
-
Citations (学術論文の引用) 30%
-
International Outlook 7.5%
-
Industrial Outcome 2.5%
ここで注目したいのが3番目の「学術論文の引用」という点です。世界中でどれだけその大学の論文が引用されているかというものですが、最低条件として、引用されるためには英語で論文が書かれていなければいけません。理系分野は特に応用的な研究の前のベース的な研究が多岐にわたり、論文数も多くなる傾向にあるのですが、その一つ一つが英語で書かれているでしょうか?
TeachingやResearchingの分野では日本の大学のポイントは格段に上昇します。しかし、30%の割合を占める論文引用のポイントは、先に述べた理由から極端に順位を落としています(東大300位台、京大500位台)。東大をはじめとする日本の大学を抜いていったアジア圏のシンガポールや香港の大学も、実はこの項目でのポイントで日本の大学を引き離していることが多いです。
欧米諸国の大学は公用語それ自体が英語であったり、歴史的な背景から、英語が公用語でなくても大学では英語の講義を行っているところも多いです。このことを鑑みると、欧米諸国やシンガポールなどの大学が有利なことは明らかと言えるでしょう。
・教育力、研究力は自信を持って良い
その一方で先ほども少し述べたように、TeachingやResearchingの分野では良い順位をキープしています。海外から高給な教授を引き抜いたりできず、非常にドメスティックだと言えますが、それでも日本の教育の質は高く、多数のノーベル賞学者を輩出していることからもわかるでしょう。
The Times Higher Educationの算出する大学ランキングは総合的な点数によります。ニュースやインターネットではいつもネガティブに日本の大学の順位低下を伝えられますが、その理由を紐解くと、どこまでも悪くなっているというわけではないことがわかります。
・最後に
ここまで、「世界大学ランキング」について語ってきましたが、確かに日本の大学に劣っている部分があるがゆえの現状の順位というのは否めません。
しかし、日本の大学のすべての授業や大学での公用語を英語にしようとしても、今の10〜20倍の留学生を受け入れようとしても、うまくやっていける気がしないのは皆さんでも容易に想像がつくでしょう。
だがこれからはまちがいなくグローバルな時代です。長期的な目で見て、海外の大学に対する競争力、ひいては日本の国際競争力を高めるためにも、英語を自由自在に扱える学者といったような、学術分野で活躍できる人材の数を増やしていけると良いのではないでしょうか。
#世界大学ランキング#海外大学#日本の大学#語学力は確かに弱い#けどなんだかんだ優秀 #自信を持って良い#けど今後のことも考えてみない?
#tya #hk #design #solution #upgrading #marketing #creative#advertising