日本発 “仏系” 旅かえるとは!?

+旅かえるとは??+

 


「これ知ってる?」ある日、香港人の友人が超人気だという日本初のゲームアプリを見せてくれました。それが今香港で流行っている「旅かえる」という日本のゲームアプリでした。

 2017年11月にリリースされて以来、このゲームアプリは95%は中華圏でダウンロードされており、1%の日本や他国を圧倒しています。1月下旬から2週間にわたって中国版App Storeで人気第1位をキープし続け、香港と台湾でもトップ10入りしています。8割は女性プレイヤーで微博(weibo)などで話題になり一気に人気になりました。

 中国のプレイヤーたちは、このアプリ内課金で累計約2億2000万円以上をつぎ込んでいるそうです。一方の日本では、課金は累計約1100万円にとどまっています。

 

+ゲームの特徴+

 

 この「旅かえる」は日本語のみのゲームアプリで、プレイヤーは簡単な日本語の意味を予測して遊んでいる人も多いようです。これを通してなんとかして日本語を学習しようとしている友人もいます。けれど機能もシンプルで、わかり易いインターフェイスなので日本語を知らなくても十分に遊べる仕様になっています。

 

 基本的にはお弁当や荷物を用意するのみで放置しておくゲームで、自分で「かえる」は操作しません。制作会社は「旅そのものを題材にしたゲームが少ない」事に着目して開発に踏み切ったそうで、最初の「かえる」のイメージは映画「男はつらいよ」の主人公、寅さん。かえるは旅に出たまま帰ってこなかったり、家から出なかったりします。「誰かを待つことで喜びを感じてほしい」と制作会社の担当者はコメントしています。

 因みに、たまに旅先から持って帰ってくる「かえる」は旅先から写真やお土産を持ち帰ってくれます。どれも日本各地のご当地ものになっています。例えば最初に私が「かえる」からもらったお土産は「キャベツ」と「三色ういろう」で写真は名古屋城を背景にしたものでした。マニアックですよね。

+流行った背景+

 

 日本でも増殖しているといわれている「草食系」は、中国でいうところの「仏系」になります。厳しい競争社会の中で育てられ、どうにもならない現実や苦悩を経験し、その大きなストレスの反動で、激しい現状に立ち向かうというよりは、やや諦めと受け入れの「仏系」の境地に入った人々。1990年以降に生まれた若者達10代後半から20代で、独身の多い世代中心に流行しているこの現象は、「かえる」のほのぼのガツガツ度0の世界と重なります。ありのままを受け止め、楽しみたいという心境に「旅がえる」は寄り添っているのでしょう。その他にも

  • 和風テイストな作風で、可愛いイラストで愛着がわく。

  • ゆるい音楽でまったり癒される。

  • 隙間時間を活用できて、手軽。

  • 「かえる」を「分身」や「息子」のように感じ、擬似家族体験ができる。

 などのが人気のポイントです。

+まとめ+

 

 最近になって、制作者側としては夫を待つ妻のような視点を設定して制作した、という事実が判明し「かえる」は「息子」だと信じ込んでいた中国人プレイヤー達に衝撃を与え、ネットで話題になりました。コメントの一部を紹介すると―

「蛙はクズ男」「無責任な夫だったなんて」「写真の中の蝶々は不倫の証拠か?」「何日も帰って来ないってまさか……」「夫だったらとっくに離婚」といった厳しい批判の声が上がっています。

 この「旅かえる」のクリエーターの意図とプレイヤーの解釈の違いは良い結果に繋がった好例だといえます。異文化圏での作品や表現の受け止められ方は様々に異なるので人々が自由にテーマを解釈できる余地があることもとても大事でしょう。(因みにかくいう私も「かえる」は「子供」だと思った一人です。これからも「子供」だと思って世話をしたいと思います。)

 

 癒されたい、ちょっと疲れているなと感じている皆さん、一緒に「旅かえる」プレイしてみませんか?

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