香港の地下鉄、MTRマップの読み方

インターンY ブログ2

香港の地下鉄、MTRマップは移動の必需品だ。東京の乗換に比べると断然楽だが、短時間での乗換が多い。来てしばらくは緑の路線から赤の路線へ乗り換える時に、なぜ太子や油麻地でなくモンコックなのかわからなかった。それぞれの駅で乗り換えてみて初めて、同じフロアで乗り換えできるからだと気づいた。車内に貼ってあるMTR全図を見ているひとはどれほどいるのだろう。線によっては扉上方のマップが光って目的地に行けるかどうかわかるため、貼ってあるマップを見ないというひとも多いのではないかと思う。その地図を見ていると、乗換駅にだけ白丸のなかに棒が書かれていることがわかる。

直線が横並びだったり傾いていたりするが、これについて地図内に凡例は記載されていない。わたしのように乗換駅について疑問を持ったことのあるひとなら、比較的早くこの線の示す意味がわかるかもしれない。この棒は乗換時の移動について表しているだろう。モンコックのように横並びなら同じフロアで、太子の場合階段を降りる必要があり、油麻地なら反対に上るということだ。わたしはこの線の意味を理解した時深く納得したが、乗換について疑問を持っていない限り、このマークはともすると見過ごされてしまう。そもそもアプリで乗換ルートを調べていれば全く必要ないマークともいえる。さらに駅を見ていくと、別の疑問が生じる。九龍塘や中環の乗換は同じフロアではないのに、横並びの直線が描かれている。

これらの駅では階段の上り下り含め歩かなければならない。新しくできた黄緑色の南港島線にいたっては、油麻地と同じく階段を降りれば着くのに横並び線になっている。

考えた結果、ホームを一種類の路線が使用している場合には移動の上下関係なく横並びになっているという結論に至った。デザインについてわたしは専門的知識を持ち合わせていないが、抽象化の意義は普遍的に伝わりやすく、理解しやすくするためだろうと思っている。路線図は特に、見て即座に理解できる必要がある。その点このマークは少々理解に時間がかかり、良いデザインとは言えないのかもしれない。そもそもどの程度のひとに必要とされているのかもわからない。MTRの新線が次々開通・延伸し、ますます複雑な乗換が要求されるなかで、まだしばらくはふと意味に気づいたひとだけがニヤリとするのだろう。