香港ローカルの魅力、二階建てトラムが持つマーケティングの可能性
香港島を走る二階建てトラムは、観光客にとっても地元住民にとっても欠かせない存在です。1904年から運行を続けているこの路面電車は、香港の歴史とともに歩んできた象徴的な交通手段であり、現在でも1回の乗車がわずか数香港ドルという安価さで利用できる庶民的な足となっています。観光ガイドブックにも必ず登場するこのトラムは、単なる交通手段にとどまらず、観光資源として、そして広告媒体としても非常に優れたポテンシャルを持っています。
トラムの特徴:観光資源としての価値
トラムは香港島の東西を結ぶ約15kmの路線を走り、全123の停留所を通過します。その速度は決して速くはありませんが、これが観光客にとっては大きな魅力となっています。二階席の一番前に座れば、香港の活気ある街並みをゆっくりと眺めることができ、まるで街全体をパノラマで楽しむような体験ができます。狭い通りを縫うように走るトラムからは、近代的な高層ビル群と昔ながらの市場や街並みが交錯する、香港ならではの風景を堪能できます。このため、トラムは単なる交通手段を超えた「移動する観光アトラクション」としての価値を持っています。
広告媒体としてのトラム:動くビルボードの価値
トラムのもう一つの大きな特徴は、その車体全体を活用した広告スペースです。香港の中心地を低速で走るトラムは、まさに「動くビルボード」として優れた広告媒体となっています。車体にプリントされた広告は、毎日何千人もの通行人や乗客の目に触れるため、非常に高い視認性を誇ります。トラムの二階建てという構造も、広告を目立たせる要因の一つです。特に、香港のように高層ビルが立ち並ぶ都市では、二階建ての広告はビルの2階や3階部分のオフィスの窓からも目に入るため、広告の露出効果がさらに高まります。
広告会社として、トラム広告を手掛ける立場から
筆者の会社は広告会社として、これまでにも多くのクライアントの広告をトラムに掲載するお手伝いをしてきました。トラムという媒体の特性を活かし、クライアント企業のブランドイメージやプロモーションを形にしていく過程は、広告制作に携わる者として非常にやりがいを感じる仕事です。実際に街中で「これ、うちの会社が手掛けた広告だ!」と見かける瞬間には、達成感とともに誇らしさがこみ上げてきます。
トラム広告の未来とマーケティングの可能性
トラム広告の魅力は、その「動く」性質と「目立つ」性質にあります。特にSNS時代では、ユニークなデザインやインパクトのある広告が人々に写真を撮られ、シェアされることでその効果がさらに広がります。広告会社としては、この特性を活かしたクリエイティブな提案を通じて、トラム広告の可能性をさらに探求していきたいと考えています。
まとめ
香港の二階建てトラムは、観光資源としても広告媒体としても大きな可能性を秘めた存在です。歴史あるこの地元のアイコンを活用した広告は、ブランドイメージを広める強力なツールとなります。トラム広告の持つユニークな価値を最大限に引き出し、さらに多くの人々の目に触れるようなプロジェクトをこれからも提案していきたいと思います。