本記事は「TPOとマーケティングの関係」シリーズの第3弾です。
→[第1弾はこちらです]
→[第2弾はこちらです]
“年齢マーケ”はもう古い?これからのターゲティングの軸とは
⏳「学んで、働いて、引退する」——その時代はもう終わった
「年齢で顧客を区切るマーケティングはもう古いのでは?」と感じていませんか?これからの時代に重要なのは、顧客の「価値観」を捉える価値観マーケティングです。未来学者のリンダ・グラットン氏が指摘するように、かつて当たり前だった「人生は3ステージ」というモデルは時代遅れになり、マーケティング手法も変革の時を迎えています。
-
-
20代で起業する人
-
50代で大学に戻る人
-
-
70代で新しい仕事に挑戦する人
……そんな人たちが、“例外”ではなくなっているのが今の現実です。
つまり、「同じ世代=同じライフステージ」ではなくなっているのです。
🔄 年齢ではなく、スタイルでつながる時代へ
この変化は、ファッション業界だけでなく、あらゆる業界に波及しています。
たとえば──
📻 かつての音楽市場:
-
10代はJ-POPやアイドル
-
30代は洋楽ロック
-
50代はクラシックや演歌
というように、年齢とジャンルがほぼ一致していました。
しかし今は…
🎧 SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスの普及により、
-
10代が昭和歌謡にハマる
-
60代がK-POPをプレイリストに入れる
-
親子で同じアーティストを聴く
といった現象があたりまえに起きています。
“世代の壁”は、音楽の世界ではすでに崩壊済み。
🎯 「年齢ターゲティング」で本当に届くのか?
マーケティングの現場では、今でもよく見かけます:
-
「40代女性向けブランド」
-
「シニア向けアプリ」
-
「20代男性向けプロテイン」
確かに“設計しやすい”し、“社内説明しやすい”。
でも実際の消費行動は、もっと横断的で、自由です。
たとえば:
-
50代女性がゲーミングチェアを愛用していたり
-
20代男性が和菓子好きで定期購入していたり
-
60代がキャンプギアをInstagramでレビューしていたり
……そんなユーザーが、今は“例外”ではないのです。
💡 価値観マーケティングの鍵:「スタイル」で顧客を捉える
では、どんな視点でターゲティングすべきなのでしょうか?
🔑 ヒントは、「年齢」ではなく「ライフスタイル」や「価値観」にあります。
たとえば:
-
✨「ミニマルで物を持たない暮らしを好む人」
-
🧳「週末はソロで旅に出るのが好きな人」
-
🧘♀️「心身の“整え”を重視する人」
-
👨👧「親子で楽しめる体験を求める人」
こうした行動や志向、価値観で人をくくる方が、実態に近く、共感も得られやすいのです。
📊 データも示す「年齢の崩壊」
実際、ある大手ECサイトの購買データでは:
-
40代男性の約26%が「10代向けスキンケアライン」を定期購入
-
60代女性ユーザーの約31%が「アウトドア用品」カテゴリを閲覧・購入
-
30代の約45%が「シニア向け」とされる健康食品を購入
これらの数字が示すのは、企業側の想定より、ユーザーの選択はずっと自由で柔軟だということ。
✍️ まとめ:「世代」から「価値観マーケティング」への転換
マーケティング設計の第一歩として、
**「この商品は何歳の人に売るか」ではなく、
「この商品はどんな生き方をしている人に響くか?」**を問い直すことが必要です。
年齢は、もはや“参考値”でしかない。
むしろ、個人の価値観やライフスタイルの多様性にこそ、ヒントが眠っている。
次回は、実際に「年齢を超えたプロモーション設計」に成功したブランド事例を紹介します📈(続)


