【マーケの種104:TPOとマーケティングの関係③】

本記事は「TPOとマーケティングの関係」シリーズの第3弾です。
→[第1弾はこちらです]
→[第2弾はこちらです]

“年齢マーケ”はもう古い?これからのターゲティングの軸とは


⏳「学んで、働いて、引退する」——その時代はもう終わった

「年齢で顧客を区切るマーケティングはもう古いのでは?」と感じていませんか?これからの時代に重要なのは、顧客の「価値観」を捉える価値観マーケティングです。未来学者のリンダ・グラットン氏が指摘するように、かつて当たり前だった「人生は3ステージ」というモデルは時代遅れになり、マーケティング手法も変革の時を迎えています。

    • 20代で起業する人

    • 50代で大学に戻る人

  • 70代で新しい仕事に挑戦する人

……そんな人たちが、“例外”ではなくなっているのが今の現実です。

つまり、「同じ世代=同じライフステージ」ではなくなっているのです。


🔄 年齢ではなく、スタイルでつながる時代へ

この変化は、ファッション業界だけでなく、あらゆる業界に波及しています。

たとえば──

📻 かつての音楽市場:

  • 10代はJ-POPやアイドル

  • 30代は洋楽ロック

  • 50代はクラシックや演歌

というように、年齢とジャンルがほぼ一致していました。

しかし今は…

🎧 SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスの普及により、

  • 10代が昭和歌謡にハマる

  • 60代がK-POPをプレイリストに入れる

  • 親子で同じアーティストを聴く

といった現象があたりまえに起きています。

“世代の壁”は、音楽の世界ではすでに崩壊済み。


🎯 「年齢ターゲティング」で本当に届くのか?

マーケティングの現場では、今でもよく見かけます:

  • 「40代女性向けブランド」

  • 「シニア向けアプリ」

  • 「20代男性向けプロテイン」

確かに“設計しやすい”し、“社内説明しやすい”。
でも実際の消費行動は、もっと横断的で、自由です。

たとえば:

  • 50代女性がゲーミングチェアを愛用していたり

  • 20代男性が和菓子好きで定期購入していたり

  • 60代がキャンプギアをInstagramでレビューしていたり

……そんなユーザーが、今は“例外”ではないのです。


💡 価値観マーケティングの鍵:「スタイル」で顧客を捉える

では、どんな視点でターゲティングすべきなのでしょうか?

🔑 ヒントは、「年齢」ではなく「ライフスタイル」や「価値観」にあります。

たとえば:

  • ✨「ミニマルで物を持たない暮らしを好む人」

  • 🧳「週末はソロで旅に出るのが好きな人」

  • 🧘‍♀️「心身の“整え”を重視する人」

  • 👨‍👧「親子で楽しめる体験を求める人」

こうした行動や志向、価値観で人をくくる方が、実態に近く、共感も得られやすいのです。


📊 データも示す「年齢の崩壊」

実際、ある大手ECサイトの購買データでは:

  • 40代男性の約26%が「10代向けスキンケアライン」を定期購入

  • 60代女性ユーザーの約31%が「アウトドア用品」カテゴリを閲覧・購入

  • 30代の約45%が「シニア向け」とされる健康食品を購入

これらの数字が示すのは、企業側の想定より、ユーザーの選択はずっと自由で柔軟だということ。


✍️ まとめ:「世代」から「価値観マーケティング」への転換

マーケティング設計の第一歩として、
**「この商品は何歳の人に売るか」ではなく、
「この商品はどんな生き方をしている人に響くか?」**を問い直すことが必要です。

年齢は、もはや“参考値”でしかない。

むしろ、個人の価値観やライフスタイルの多様性にこそ、ヒントが眠っている。


次回は、実際に「年齢を超えたプロモーション設計」に成功したブランド事例を紹介します📈(続)