【香港図鑑21】瓦礫を運びだせ! ~スクラップの現場から~

瓦礫だらけの日常風景

香港の街を歩くと、あちこちで取り壊しの現場に出くわす。いや、正直、これが日常風景なのだ。ビルの解体が始まると、あっという間に建物が姿を消し、瓦礫の山ができる。その瓦礫をどうするか? 答えはシンプル。道路に置かれた産廃コンテナにどんどん放り込んでいく。

この光景がまた大胆というか、遠慮がないというか、公道にコンテナをドカッと置いている。それも「ちょっと隅に寄せておこう」なんて配慮は皆無。車道の片側を堂々と占領していることも珍しくない。それでも誰も文句を言わない(少なくとも表向きは)。「これが香港だ」と言わんばかりの勢いだ。


速さ第一主義のスクラップ作業

取り壊し作業の進み方も日本とはまるで違う。たとえば、日本の解体現場では、騒音や粉塵の飛散を防ぐために防音シートや防塵ネットで建物を覆うのが当たり前だ。けれど、香港ではそんなものを見かけることは少ない。もちろん全くないわけではないけれど、工事現場がむき出しのまま進んでいることも多い。

瓦礫の分別もどうだろうか。日本ならコンクリート、金属、木材など、細かく仕分けしてリサイクルの準備をする場面をよく見るが、香港では「とりあえず全部まとめてコンテナに入れちゃえ!」という雰囲気だ。効率第一で、細かいことは後回し。そのおかげか、取り壊しから瓦礫の撤去までがとにかく早い。


瓦礫を運び出す流れ作業

瓦礫を放り込んだコンテナが満杯になると、すぐにトラック🚛がやってくる。何台ものトラックが順番待ちしていることもあって、コンテナが満杯になったタイミングでスムーズに回収作業が行われるのだ。そして、空のコンテナがすぐに設置され、また瓦礫がそこに放り込まれる。この一連の流れが、ほとんど止まることなく進んでいく。

日本だと、瓦礫の運搬には許可が必要だったり、近隣住民への説明が求められたりするけれど、香港ではそうした手続きに時間をかけることなく、どんどん進める。見ていると「本当にこれでいいの?」と思う反面、これだけ効率的にやれるのはすごいとも感じる。

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この大胆さ、アリかナシか

さて、ここで考えたい。こんな大胆なスクラップの進め方、日本では到底真似できないだろう。でも、だからといって「ダメなやり方だ」と断じてしまうのも違う気がする。効率を重視する姿勢、スピードこそが正義という考え方、これが香港の都市作りを支えているのは間違いない。

ただ、気になるのは、瓦礫の中にはまだ使えそうな素材が混ざっていることも多いのではないか、という点だ。分別せずに一括で処理することで、再利用のチャンスが失われている可能性もある。これは香港の課題なのか、それとも「そんな細かいことを気にしていたらスピードが落ちる」という割り切りなのか。


スクラップから見える香港の勢い

瓦礫を次々と運び出し、街を片付け、新たなスペースを作り出していく。あのスピード感は、香港という街のエネルギーそのものだ。古いものをどんどん壊し、新しいものを作る準備を整える。その第一歩が、このスクラップ作業だ。

日本と香港、どちらが正しいという話ではない。ただ、香港の姿を見ていると、「やれる形でやってしまおう」という実行力とスピード感に驚かされる。そして、つい思うのだ。この勢い、日本にも少しあったほうがいいんじゃないか、と。

さて、あなたならどう思いますか? このスクラップのスタイル、アリですか?