「Elephant in the room(部屋の中の象)」とは、みんなが気づいているのに触れない問題のことです。マーケティングの現場では、この「象」がプロジェクトの方針を曖昧にし、全体の進行を妨げる原因になることがあります。課題設定を間違えると、その後のプロセス全体に影響が出るので、まずは「象」の存在を認めることが重要です。
■ 象を放置するリスク
問題を無視すると、本来設定すべき課題を見落とし、プロジェクトのスタート地点やゴール設定がズレてしまいます。たとえば、キャンペーンの方向性が散漫になり、期待する成果が得られないことも。また、課題が曖昧なまま進めば、途中で修正や調整が必要になり、余計な手間がかかります。象に向き合わないと、結果的に負担が増えるだけです。
■ 象にどう向き合うか
象に正面から触れるのが難しい場合もあります。上司が象を問題視していなかったり、人間関係に配慮が必要な場合などです。そんなときは、象を直接指摘せず、問題の影響を観察しながら課題を整理しましょう。「この状況で最優先すべき課題は何か?」と議論を進めることで、本質的な問題に近づけることがあります。
また、象に触れることなく成果を出す方法もあります。施策を通じて問題を解決し、結果を示すことで、象の存在を暗に認めさせるのです。これは、マーケティング担当者としての腕の見せ所といえるでしょう。
■ 勇気を持って最初の一歩を
「Elephant in the room」を放置すれば、長期的にプロジェクトや組織の足を引っ張ります。課題設定をミスすれば、成果にも大きな影響が出るでしょう。直接指摘が難しい場合でも、冷静に整理し、柔軟に解決策を探ることで、象への対処が可能になります。
あなたの組織にも、「象」がいませんか?もしそうなら、今こそその存在を認め、一歩を踏み出すときです。