【マーケの種46】デザイナーはなんでもデザインできる?①

🌟「デザイナーなら何でもデザインできる」と思っていませんか?
これは、実はとてもよくある誤解です。

たとえば「イラスト」。これも“デザイン”の一部だと思われがちですが、実際にはまったく別の専門領域です。イラストが描けるデザイナーはいますが、それが得意かどうか、どんなスタイルが描けるのかは人によって大きく異なります。グラフィックが専門の人もいれば、UIを得意とする人もいます。つまり、“デザイナー”という肩書きの中にも、さまざまな専門分野があるのです。

👩‍💻たとえば、トップが「次のプロモーションは手書き風のイラストをたくさん入れて、親しみやすくしよう!」と軽く指示を出したとします。その意図は分かりますし、方向性として間違っていないかもしれません。でも、それを社内のグラフィックデザイナーに任せたとして、その人がイラストを描けるとは限りません。ましてや、タッチや雰囲気の要望にぴったり合わせられるとは限らない。

当然、無理に進めれば、完成したものが期待と大きくずれてしまい、プロジェクト全体の修正が必要になることもあります。これは、誰かが悪いという話ではなく、「専門性を見誤ることで、計画が頓挫してしまう」典型的なケースです。

🌈さらに、イラストが得意なデザイナーであっても、描けるスタイルには幅があります。たとえば、クールでシャープな線画が得意な人に、ふわっとしたガーリーな世界観を依頼しても、うまく表現できない可能性が高い。逆もまた然りです。イラストのタッチは、文字でいうところの“筆跡”のようなもので、簡単に切り替えられるものではありません。

このように、ひとくちに“デザイン”といっても、その中には多様な専門性が存在しています。それぞれに特化したスキルがあり、それを理解することが、現実的で効果的なアウトプットにつながります。

明日は、こうした「デザイナーの専門性の違い」について、もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。

(続)