【マーケの種115:飲食とは雰囲気を作ること③】

赤い箸で持ち上げられた巻き寿司と、背景に並ぶカラフルな寿司。カジュアルで楽しい日本食体験のイメージ

🎏**“なんとなく日本”の楽しさ──気軽な和風空間がつくる居心地**

赤と金のイタリアンレストランが「高級感」や「特別な体験」を重視するのに対して、 鯉のぼりを掲げた日本料理店は、まったく別の方向性で成功している店です。 ここで重要なのは、「本格的」ではなく「親しみやすい」日本らしさです。


🌸肩肘張らずに“日本気分”を味わえる空間

この店で提供されているのは、懐石料理や高級寿司ではなく、

  • 焼き鳥

  • 唐揚げ

  • 枝豆

  • 日本酒や梅酒 など、 カジュアルで手頃な価格帯のメニューが中心です。

料理そのものよりも、**「日本風の居酒屋にいるような雰囲気」**が、来店者にとっての魅力となっています🍶


🏮視覚的な“日本らしさ”の演出

店頭には鯉のぼり、店内には提灯や浮世絵風の装飾が並びます。 これらは、日本人の目には少し“やりすぎ”に感じられるかもしれませんが、 日本食文化に詳しくない人にとっては、「日本=こんな感じ」というイメージを補強する視覚的要素です。

🎌たとえば、

  • 鯉のぼり → 季節感(5月)や伝統

  • 提灯 → 下町風情・お祭りのイメージ

  • 木目調の内装 → 温かみや家庭的な印象

…といったように、「日本らしさの記号」を組み合わせることで、気軽に異文化を楽しめる空間が生まれています


📊選ばれる理由は「味」よりも「空気感」?

この手の店が選ばれる理由は、

  • 「料理がすごく本格的だから」よりも

  • 「雰囲気が面白い」「気軽に入れる」「友人と盛り上がれる」

といった感情的・社交的な動機が大きいと考えられます。 実際、香港の飲食店利用者を対象とした調査(OpenRice Hong Kong, 2022)では、 **「雰囲気が良い店を選ぶ」と答えた人は全体の約65%**にのぼっています。


👥顧客が求めているのは“文化”ではなく“楽しさ”

この店の魅力は、「日本の文化をそのまま忠実に再現すること」ではありません。 むしろ、“なんとなく日本っぽい”空間で、気楽に飲んで話せることが価値となっています。

言い換えれば、

  • 文化の再現性よりも、「気分の演出」

  • 本格さよりも、「わかりやすさと楽しさ」

が重視される、明確なマーケティング戦略が感じられます。


📝(次回につづく)

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