【マーケの種106:TPOとマーケティングの関係⑤】

スーツ姿の中年男性がZARAの店舗前を無関心に通り過ぎる。背景には、意図的にぼかされた若い男性のシルエットが映り込み、ブランドと通行人の間の心理的な距離を感じさせる。

「若者向けブランド」という言葉は、もはや過去のものかもしれません。本記事では、ZARAの事例を基に年齢ターゲティングの限界を分析し、これからの主流となる「価値観マーケティング」について深掘りします。 ZARAやH&M=若者ブランドというイメージ、いまもありますよね?でも実際には──

👗40代以上の女性客が増加中! 特に日本では「仕事にも使える」「価格が手頃」「毎週新作が出る」などの理由で、職場カジュアル層に浸透しています。ユニクロより少し華やか、でも百貨店より手頃。その“ちょうどよさ”がニーズにハマっているのです。


⚠️ 若年層との摩擦も

しかしこの流れ、一方で若年層離れの要因にも。

👀「ママと同じ服は着たくない」 🧢「ZARAってオフィスっぽくてダサい」 といった声も。 ブランドの拡張が、コア層の“熱量”を下げてしまうリスクは見逃せません。

これはファッション業界だけの話ではないのです。


🎤 エンタメの「世代横断消費」

推し活の高年齢化も見逃せません。

  • 10代〜50代以上までがライブ参戦

  • 海外遠征やグッズ購入で1人あたり年間20万円以上使う人も

  • SNSやファンクラブで世代をまたぐ連帯感が生まれている

つまり、もはや「若者向け」「主婦層向け」といった年齢軸のターゲティングは限界に来ているのです。


🎯 🎯 これからの鍵は「価値観マーケティング」の実践へ

ブランドは「誰に売るか」ではなく、 **「どんな気分で、どんな場面で使うものか」**を伝える必要があります。

✅ 年齢ではなく「ライフスタイル」や「気分」で分類 ✅ 「自分ごと化」できるストーリー設計 ✅ 「共感」と「発見」を両立する商品設計

TPO(Time, Place, Occasion)×価値観のマーケティングが、これからの鍵になりそうです。

(続) 前回の記事(TPOとマーケティングの関係④)はこちら