香港のユニークな交通手段、ミニバス・小巴(siuba)
香港には、MTR(地下鉄・電車)、タクシー、バス、トラムなど様々な便利な交通手段があります。
中でも香港のバスには、二種類あります。
一つ目は、観光客にも人気である二階建てのバスがあります。このタイプのバスでは、停留所ごとにバスが停車するため、行き先の停留所の名前を覚えていれば気軽に乗車することができます。
次に紹介するのは、今回のトピックでもある「ミニバス」(小巴・siuba)についてです。
香港のミニバスとは、約16人乗りの小型バスのことを指します。ミニバスには、緑色のミニバスと赤色のミニバスがあります。緑色のミニバスは、特定の路線を一律料金で運行します。赤色のミニバスでは、乗客は路線上の好きな場所で乗り降りすることができます。乗車料金は、普通二階建てバスよりもずっと安いです。緑のミニバスは、停留所が決まってはいますが、乗客は停留所の場所を覚えていないとバスを降りることができません。なぜなら、乗客は停留所が近づいてきたら「唔該有落(mgoi yauh lohk)」(すみません、降ります)などと大きな声で運転手さんに伝えなければならないからです。
そのため、ミニバスに乗るには停留所の場所を熟知していることと、広東語で「降ります」などと大きな声で運転手さんに伝える勇気が必要になります。
私が初めてミニバスに乗ったときは、降りる駅を何駅も逃してしまいました。戻るためにもう一度ミニバスに乗り、乗るときに友人が英語で運転手さんに降りたい駅を伝えたのですが、通じませんでした。
google mapのGPSを駆使しながらもまた停留所を過ぎてしまって、駅を少し過ぎたところで騒いでいたら、停留所でもないところで降ろされてしまいました。
この体験から私は今でも広東語を話せる友人以外とミニバスに乗るのが少し怖いです。
また、ローカルの人たちでも、よく知らない土地でミニバスを利用することは、降りる場所がはっきりと分からないので、少し難しいと言っていました。
全てが規則通りに動いている日本と比べて、時刻表もなく自己主張がなければ下車できないこのミニバスは日本での交通手段と正反対だと感じます。
しかし、ミニバスは降りる人がいなければ、停留所をどんどん飛ばしていくため、とても早く、効率的に移動することが可能です。そのため、生活の効率性を特に重要視している香港人にとっては、ミニバスは最も便利な交通手段の一つだと考えられます。
ミニバスは、近年MTRが路線を拡大していることによる利用者の減少と新しい免許が1970年以来発行されていないという問題で、運転手不足の状態だそうです。
とても「香港らしい」と言えるユニークな乗り物であるミニバスがなくなって欲しくないな~と思います。