老朽化する銅鑼湾の建物
香港最大の商業地の一つ、コーズウェイベイ(銅鑼湾)。高級ブランド店や大型ショッピングモール、活気あるストリートがひしめき合うこのエリアには、多くの老朽化した建物も点在しています。
その中の一棟が、波斯富街(Percival Street)、羅素街(Russell Street)、利園道(Lee Garden Road)の交差点に位置する建物です。築50年以上とされ、長年にわたり商業活動の中心地の一角を担ってきました。しかし、老朽化が進み、再開発の話が浮上しています。
新世界発展(NWD)の計画と強制競売
この建物の所有権の約80%は、新世界発展(New World Development、NWD)がすでに取得済み。一方、残りの20%は英皇国際(Emperor International Holdings)や招商永隆銀行(China Merchants Wing Lung Bank)などが所有しており、NWDはこの部分の取得を目指して、2年半前に裁判所へ強制競売を申請しました。
その後の進捗については不明ですが、NWDは約14億香港ドル(約1,900億円)規模の商業プロジェクトを進める計画を発表しています。もし全ての物件が統合されれば、NWDは銅鑼湾の中心地において強力な商業拠点を持つことになります。
戦略的な立地—銅鑼湾の中心での開発
この再開発が実現すれば、NWDが手掛ける新たな商業施設は、銅鑼湾の中心部に位置することになります。具体的には、人気のショッピングモール「ハイサンプレイス(Hysan Place)」の向かいにあり、さらにワーフプロパティーズ(Wharf Properties)が所有する「タイムズスクエア(Times Square)」からも徒歩5分圏内という絶好の立地です。
銅鑼湾は香港の中でも特に早くから発展したエリアですが、その分、街のリニューアルが遅れていた感があります。老朽化した建物が再開発されれば、コーズウェイベイはさらに洗練された商業地区へと進化し、これまで以上に多くの人々を引きつけることでしょう。
再開発の課題と今後の展望
しかし、こうした再開発には課題も伴います。すでに営業している店舗の移転問題や、歴史ある建物が失われる懸念もあります。香港では近年、大型開発プロジェクトが進む一方で、地元の商店や伝統的な建築が徐々に姿を消していることを惜しむ声も少なくありません。
それでも、都市の発展とともに新たな商業施設が生まれることで、銅鑼湾の魅力がさらに高まることは間違いありません。今後、この再開発がどのように進展するのか、引き続き注目したいところです。
■香港でのマーケティングインサイト調査もTYAにお任せください!