【マーケの種119:売れるための変質②】

第二回:子どもに届くには、「読みやすさ」が要る

アニメが成功するためには、誰に届けるか——つまりターゲット層に合わせた表現の調整が不可欠です。とりわけ、原作に潜む複雑なテーマや残酷な描写は、子ども向けコンテンツとしては扱いづらいものです。

たとえば、

ムーミンの原作は、北欧的な孤独と自然観を描いていますが、アニメでは日常のほのぼの感が強調されます。

鬼太郎は、妖怪や死の概念を通じて人間社会を批判する内容でしたが、アニメでは「ヒーローが悪を倒す」構図に。

デビルマンも、原作では黙示録的な終末が描かれますが、テレビ版では明快な勧善懲悪の物語へと変更されました。

これらの改変によって、作品はより幅広い層に受け入れられ、商業的成功を収めることができました。

📊 実際に、1970〜80年代に放送されたこれらのアニメは、いずれも視聴率10%以上を記録し、関連商品も多数展開されました。
→参考記事:ビデオリサーチ「アニメ高世帯視聴率番組

もちろん、原作の精神を損なってしまうリスクはあります。しかし、そもそも届かなければ、評価されることもないのです。

「作品を広げること」と「本質を守ること」を同時に成立させるのは、やはり難しいテーマです。

(続)

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