【香港図鑑124】:AIモデル

美容整形やエステの広告で使われる、生成AIによって作成された均質化された女性モデルの顔

― 美容広告と生成AIの「似ている顔」たち ―

生成AIが急速に広まったのは2022年〜2023年頃。テキストから画像を生成するサービスが一般化すると、僕はすぐにこう思いました。**「カラオケバーや美容関連サービスは、広告にAI生成イメージを積極的に使い出すだろうな」**と。なぜなら、キュートな女性やグラマラスな女性のイメージを、手軽に、しかも無限に量産できるからです。


均質化していく「理想の顔」

実際に広告を眺めてみると、美容整形や豊胸の広告に出てくるモデルたちの顔は、どこか似通った印象を受けませんか?AIが生み出す「理想の顔立ち」は、目鼻立ちが整っている反面、均質化していく傾向があるのです。

ある意味、それは「AIがはじき出した平均値の美」。しかし、そこに個性が削ぎ落とされてしまうと、画面に並ぶモデルたちはどこかコピー&ペーストしたような存在に見えてしまいます。


インチキっぽさ?それとも便利さ?

僕自身は、こうしたイメージを使って「あなたもこうなれます」と示すことに、どうしてもインチキっぽさを感じてしまいます。ところが、ある女性に聞いたところ「方向性が示されているのなら、それで十分」なのだとか。

言われてみれば確かにそうです。広告は「完全な真実」ではなく、「理想像の提示」。仮にAIであっても、その役割を果たしているのなら、利用者にとっては十分なのかもしれません。


実写広告も“加工の産物”

ここで思い出すのは、従来の実写広告。モデルの写真はフォトショップなどで20歳は若返らせ目は一回り大きく鼻はより整った形に補正されています。つまり、AIでも実写でも、「真実そのもの」ではないイメージを前提にしていることに変わりはないのです。


美しさを求める気持ちは消えない

ひとはリアルの世界で生きている限り、どんなに**アンチルッキズム(外見評価への反発)**が語られても、やはり「より見栄えの良い自分を手に入れたい」という気持ちは消えないのでしょう。

AIが生み出した似ている顔たちは、その欲望の延長線上に現れた最新のツール。 たとえインチキっぽくても、そこに希望を重ね合わせる人がいる限り、広告は生き続けるのだと思います。😊 参考記事:東洋経済オンライン’生成AIの進化が広告業界にもたらす2つの課題’ 参考記事:東洋経済オンライン’ダヴ「ルッキズムに異議」が皆の怒りを招いた根因’
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