【マーケの種151:インバウンドから移住者へ?③💼】

「低コストでの日本移住 最後チャンス!?」と謳う中国語のネット広告スクリーンショット

📊 変わる企業の視線――「観光客」から「生活者」へ。

外国人移住者の増加を単なる現象ではなく、新しい市場の兆しとして読み取り始めた企業が現れています。東京・大阪など都心の金融機関や不動産会社では、これまでの観光向けセールスから一歩踏み込み、“暮らす”層へのサービス転換が進行中です。英語や中国語(繁体字・簡体字)でのカスタマーサポートを拡充し、香港・台湾・シンガポールの富裕層向けに「永住・長期滞在サポート窓口」を設ける動きも。たとえば、大手都市銀行の一部では**外国籍の住宅ローン申し込み件数が前年比35%増(2023年時点)**に。経済動向とともに、企業の構え方も確実に変わってきています。

🛍️ ラグジュアリーマーケットの転換。

高級ブランドショップや都市型ホテルも、これまでの「観光地立地+短期滞在」モデルを少しずつ見直し中。彼らが注目しているのは、“一度きりのお客様ではなく、生活の一部になる顧客”。つまり、準定住層です。複数回にわたり日本へ滞在し、同じブランド・同じレストランを利用する。そうしたリピーター層の購買単価は、短期観光客の**約1.8倍に達する(JTB調査2022)**とも言われています。実際に、都心の高級マンションやホテルでは、サービスアパートメント型の長期滞在プランを導入するケースが増加。さらに富裕層対象のワインセミナーやアートイベントの再開も進み、「体験+定住」のハイブリッド型マーケティングが動き出しています🍷。

📱 デジタルの現場にも訪れる多言語化の波🌐。

SNS広告の運用画面を覗くと、ここにも潮流の変化が見えます。FacebookやInstagramの配信では**中国語(繁体字)・英語の広告出稿比率が、2022年比で約1.6倍に拡大。**企業の公式サイトでも、英語・中国語・韓国語ページを持つ企業が過去最多となりました(経済産業省・DX推進白書2023より)。それに伴い「在留外国人を対象とした広告コピー」や「多文化共存型UXデザイン」への関心も高まっています。先鋭的な不動産プラットフォームでは、物件検索で“Long stay / Semi-resident”という新カテゴリーまで登場。市場が「旅行」でなく「生活」にシフトしている表れといえるでしょう。

📈 ローカル経済と日本人消費者への影響は?

長期滞在型消費が根づけば、地域の商圏構造そのものが変わります。たとえば、東京・札幌・福岡といった人気都市圏では、外国人富裕層による住宅需要の高まりが地価の上昇を牽引中(国交省都市局調べ2023)。同時に、地方都市では外国人滞在者の増加に合わせて多言語メニューやキャッシュレス対応店舗が3割増というデータもあります。インバウンドが「波」だった時代から、「層」として定着する時代へ。これが国内産業にもたらす影響は、まだ始まりにすぎません。

日本が“住む国”としてどう変わるのか。そして企業がその変化をどう受け止め、どんな価値を提供していくのか。マーケティングは、いま新しい社会モデルの入口に立っています。(続)

■参考記事:国土交通省交通庁「インバウンド消費動向調査(旧 訪日外国人消費動向調査)」

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