大都市では、小型店舗化の傾向が顕著になってきています。駅構内の24時間営業で人が立ち寄りやすいコンビニやスナック外食の小型店はともかくとして、今回注目したいのは強い個性を持って、ソーシャルメディアの活用することで爆発的な人気を集める小型店舗です。
寸土寸金とよく言われる香港でも、小さなお店の外に長〜い行列ができている風景をよく見かけます。さっそくチェックしてみましょう!
まず、標準店舗に比べ、面積を抑えた小型店舗にするメリット。香港や東京などの都市では地価が高いので、小型店舗は家賃や人件費、設備費などの運営コストを大幅に削減できます。つまり、標準店舗より少ない初期投資でビジネスができる上に、人口が集中している都市では安定した集客が期待できます。
現代は選択肢が豊富。消費する満足感はあるけれど、選択肢が多すぎて何を選んだらいいのか迷ってしまう人も少なくありません。そうした中で、小型店舗には注目されるべき成功戦略があります。
全ての人の要求に応えるのではなく、特定な層に人気のある商品をさらに特化し、専門性を高めることによって、特色ある店舗を展開するということです。数より質、安定より個性を重視しているというイメージです。
さらに、小型店はFacebookなどのソーシャルメディアを活用することで、店舗の場所や規模、形式に捉われず人気を集めることが可能です。ネットでのエンゲージメントを通して、特に若者達の間で話題になり、短時間で多くの注目を集めることもあります。中国ではこういったネット上で話題を作ったお店のことを「網紅店」と呼んでいて、「網紅店」と呼ばれるようになったお店にはたくさんの人が訪れます。
以上の三点からみて、店舗の小型化は時代にとても合っているといえそうです。
九龍にあるたった5平方メートルしかないこの芋圓デザート(芋団子。特に台湾で流行っています)店は、店長と店員の二人だけ。メニューは 5 種類しかありませんが、 フェイスブック や Iインスタグラムなどを活用して、「手作りで健康的」、「原材料を買ってもらったら家でもお好みでアレンジできますよ」などの魅力的なキーワードで宣伝したり、お客さん達自身の体験やレビューをシェアすることでネットで大好評を得ました。
この店はネットで紹介した面白いレビューや写真を店内に掲示していて、お客さんが待っている間にも楽しめるよう工夫しています。波及効果として「自分も写真やレヴューをアップロードしたい!」と思う人が増えて、ますます宣伝効果を上げています。
小型店舗の成功例は飲食業に限りません。例えば、上環(Sheung Wan)から中環(Central)にかけてのエリアには、イギリス統治時代の建物を改装したおしゃれな雑貨店、喫茶店などをあちこちに見つけることができます。この一帯にはその他にも、それぞれの特色を持ったフラワーショップ、アンティークショップ、オリジナルグッズを扱う雑貨店などが並んでいます。ハイセンスで知的な雰囲気に包まれているので、優雅な時間が楽しめる絶好の場所として有名になりました。
写真に載せた二店舗は賑やかな大通りを外れた閑静な場所にあります。まるで都市の喧騒から逃れてどこか特別な場所に訪ねてきたかのような感覚です。
このフラワーショップ ”Tallensia Floral Art” では、ソーシャルメディアを活用して、生け花ワークショップなどのイベントが若い女性を中心に人気を集めています。また、隣の雑貨店”InBetween”はアンティーク、個性をアピールできるオリジナルグッズなどを販売しています。定期的に新しい情報をネット配信していて、おしゃれに敏感な若者達のファッションの聖地にもなっているようです。
こうした小型店舗の爆発的人気は、ますます勢いを増して広がっていくように思えます。ユニークさを磨いたブランドを作り、ソーシャルメディアをうまく活用していくことが人気店を作るキーポイントですね。
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