【香港図鑑109:重慶大廈】

香港・尖沙咀のネイザンロード沿いにある重慶大廈(チョンキンマンション)の入り口と「重慶大廈」の看板

ニセモノ時計とカレーの迷宮は、静かに変わりつつある

香港は尖沙咀(チムサーチョイ)のネイザンロード沿い。通称「チョンキンマンション」こと**重慶大廈(Chungking Mansions)**は、今日も堂々と街の一角にそびえ立っています。

🏨バックパッカー向けの安宿、🍛本格カレー&アフリカ料理の小さな店、💱両替レートの良い外国為替店、🛍️微妙に安い雑貨や携帯パーツなどがひしめく、“アジアの縮図”とも呼ばれるカオスな複合ビルです。

わたしも、これらは一通り体験しました。 インド系のカレー屋はなかなか本格的で、ナンとチキンティッカのセットがHK$40〜50ほど。アフリカ料理も意外とレベルが高く、スパイス感がしっかりしていて驚かされます。宿は…まあ、覚悟のある方向けです😅


🕰 昔は「ニセモノ時計天国」だった

20年ほど前、重慶大廈の前を通ると、**「ロレックス?」「オメガ安いヨ!」**といった日本語の客引きがしきりに声をかけてきました。 彼らの目的はほぼ一つ。ニセモノ時計の販売です。 どこかの一室に連れて行かれ、ガラスケースに並ぶ“それらしい時計”を見せられる。そんな光景が日常でした。

しかし、10数年前からターゲットは日本人から韓国人旅行者にシフト。韓国語の呼びかけが主流になり、客引きの様子も変化していきます。

そして現在—— 📉その客引きすら、ほとんど見かけなくなりました。

理由はいくつか考えられます:

  • 香港の海関(税関)による知的財産権取締の強化

  • 観光客の購買傾向の変化(ニセモノへの関心の低下)

  • 越境ECやオンライン販売の台頭

  • コロナ禍を経たインバウンド構造の変化

いずれにせよ、あの独特の“呼び込みの声”が消えた重慶大廈は、少し寂しくもあり、時代の流れを感じさせます。


🌏 それでも、ここは変わらず“世界の交差点”

重慶大廈はいまでも、南アジア・中東・アフリカ・中国本土から来た人々が共存する、多国籍な空間です。 ひとたび中に入れば、スーツケースを引く旅行者、スマホをいじる住民、スパイスの香り、英語・ヒンディー語・広東語が飛び交う混沌が、相変わらずそこにあります。

📌 かつての「ニセモノの迷宮」から、今は「異文化の交差点」へ。 重慶大廈は、香港に残された“混沌の記憶”とでも言える場所なのかもしれません。

今も前はよく通りますが、「あ、変わったな」と思う瞬間が増えました。 それでも、時折入ってみたくなるのは、このビルが持つ雑多で人間くさい魅力のせいかもしれませんね😉 ■香港図鑑いかがでしたか?香港でのマーケティングインサイト調査もTYAにお任せください。(以前の記事「香港図鑑3:強襲揚陸船・海南」もいかがですか?)
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