香港図鑑159|ベイクハウス(再)

カラフルなグラフィティアートが描かれたレンガ壁にデザインされたbakehouse(ベイクハウス)のロゴ

― 名前がなくても、それとわかるということ ―🥖

「bakehouseは、名前がなくても“それとわかる存在”を目指していたんです」

そう語るのは、ブランディングを担当したダスティン・ホームズ氏。その言葉どおり、最初に手がけられたのは、広告でもコピーでもなく、ブランドの核となるロゴマークでした。

📌 レンガ壁から生まれた“B”

着想の起点になったのは、湾仔店の外観に使われているレンガ壁。街の一部としてそこに在り、主張しすぎず、けれど確かな存在感を放つ素材。そのイメージから生まれたのが、**「ブリックのB」**と呼ばれるシンボリックなロゴです。直線的で、重心が低く、触れたら温度がありそうな形。パン屋でありながら、どこか建築的な安定感を感じさせます。

📌 偶然が意味を深める瞬間

面白いのは、その後に起きた小さな発見です。焼きたてのサワードウ・ブール(丸パン)が、フランス語では**「ブリック(brique)」と呼ばれることがある。後から重なったこの偶然が、ロゴに新しい物語を与えました。狙っていなかった一致が、結果的に意味の層を厚くする**。bakehouseらしいエピソードです。

📌 ロゴタイプに宿る、ほんの少しの遊び

ロゴマークだけでなく、ロゴタイプにもわずかな調整が加えられました。大きな変化ではありません。角度、間隔、リズム。そうした細部に手を入れることで、bakehouseらしい活気や、ほんの少しの遊び心がにじむようになったといいます。派手さではなく、毎日目にすることでじわじわ効いてくる変化です。

📌 新しい空気が街に出る

この新しいビジュアルは、2020年末のSOHO店オープンと同時にお披露目されました。すでに知られている店でありながら、どこか新しく見える。その感覚こそが、ブランドがひとつ段階を上がったサインだったのかもしれません。変わりすぎないことで、むしろ変化が伝わる。bakehouseは、そうやって記憶に残る存在になっていきました。

名前がなくても“それとわかる存在”。

bakehouseは、地元の人たちにも観光客にも愛される存在になりました。むしろ、繁華街に行列があれば、それはbakehouseかもしれないと思えるような、スーパーな存在になったのです。(了)

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■参考記事:Bakehouse公式WEBサイト

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