香港の街を歩いていると、あちこちに「路地」があります。
正面から眺めてみると、一つひとつがまるで別の顔をしていて、見ているだけで飽きることがありません。
入口の脇には、自転車が立てかけられ、ゴミ箱やプラスチックの椅子が置かれています。そこに鉢植えの緑が少し加わるだけで、不思議と温かみが生まれるのも路地の魅力。時には小さな鼠捕りがさりげなく置かれていたり、上からは洗濯物がひらひらと風に揺れていたり。その生活の断片は、何ともいえず人間味があります。
ふと目を上げれば、ビルの外壁に取り付けられた室外機から水がポタポタと落ち、それがじわりと夏の蒸し暑さを強めているのを感じます。壁には、思わず立ち止まってしまうようなストリートアートも。スプレーで描かれた落書きのように見えるものもあれば、ため息が出るほど巧みな絵に出会うこともあり、まるで小さな美術館に迷い込んだようです。
参考記事:香港政府観光局「芸術」建物と建物の隙間から、意外なほど大きな空が見えることも。狭さの中にぽっかり開けた青い空を見つける瞬間は、ちょっとしたご褒美のようです。
一見すると何でもない通り。けれど、一歩足を止めて路地を覗き込むだけで、そこにしかない香港の素顔がふっと現れるのです。
🌿 日常と生活感がぎゅっと凝縮された路地こそ、香港の暮らしを最も近くに感じられる場所なのかもしれません。

