【マーケの種110】10分カット VS 上海理髪店③

木製のテーブルの上に置かれたアナログのストップウォッチ。時間管理と効率化を象徴している。

〜“効率”は最大の価値? 時代が生んだ新しい理容モデル〜

時代が変われば、常識も変わる。 かつて「理髪=丁寧さ・贅沢な時間」とされていた価値観は、 今や「早い・安い・気軽」が重視されるようになりました。

その中で、QBハウスの成功はまさに時代のニーズを捉えた象徴的な事例といえるでしょう✨


✅ QBハウスの“3つの武器”💡

QBハウスがここまで広がったのには、明確な理由があります。

1.「10分で完了」:タイパ至上主義にマッチ ⏰ → 仕事の合間、移動前、予定のすき間時間でもサクッと済ませられる。 現代人にとって“10分”という時間は、**「無駄なく使える安心感」**を提供しています。

2.「シャンプーなし」:サービスの再定義 💈 → あえてシャンプーや顔剃りを省くことで、**「ムダを削ぎ落とした合理性」**を実現。 お客様の負担軽減=価格の抑制にもつながっています。

3.「予約不要」:思い立ったらすぐ行ける 💨 → 予約の手間がないことで、“気軽さ”という心理的ハードルを取り払うことに成功。 「今、ちょっと切りたいな」という瞬間のニーズに応えています。


📈 データが語る支持層の広がり

  • 2024年時点で国内外700店舗超え(うち香港でも50店舗以上)

  • 平均利用時間:約12分(入店〜退店まで)

  • 利用者の約60%が20〜40代男性(コスパ・時間効率を重視する層)

つまり、**「時間はお金と同じくらい貴重」**という価値観の広がりが、 このモデルを支持する土壌になっているのです。


✅ マーケティング視点で見ると…🧠✨

QBハウスは、従来の理容店が持っていた「常識」にあえて逆らった点が革新的でした。

■従来の理容店 フルサービス重視、丁寧な接客、予約制 ■QBハウス 必要最小限の機能に集中、スピードと効率、予約不要、即利用OK

このように、**「顧客が本当に求めている価値は何か?」**を見極め、 そこに集中したことで、明確な差別化に成功しました。

しかも、ただ価格を下げただけではありません。 ブランドとして“割り切りの美学”を打ち出し、その潔さが逆に信頼を生むという好循環を作っているのです。


✅ 上海理髪店との違いが明確になった今…💬

香港の上海理髪店が提供していたのは、**“時間を味わうサービス”でした。 しかし、現代の多くの消費者は、“時間を節約できるサービス”**を求めています。

この価値観のシフトに対応できなかったことが、 上海理髪店の市場縮小につながっていった理由の一つです。


🔍 まとめ:「効率」が生む新しい豊かさ

かつて贅沢とされていた“ゆっくりとした理容体験”は、 今では「非効率」とされることも。

一方、QBハウスが提供するのは、 **「速く・安く・でも満足できる」**という、現代型の新しい豊かさ。

  • サービスとは何か?

  • 顧客が本当に欲しいものは何か?

  • マーケットの“無意識のニーズ”にどう応えるか?

その答えを体現したのが、まさにこの業態なのです✂️🚶‍♂️ (続きます)

シリーズ第一回はこちらです