マーケの種140:URLとIRL⑦

ライブ会場の熱気の中で、スマートフォンを掲げて動画を撮影し、体験をデジタルで共有する観客の手

― URL×IRLがつくる新しい「サードプレイス」 ―

URLとIRLの関係は、単なる共存ではなく、すでに深く結びついています。 デジタルとリアルは互いに補完し合いながら、人々の暮らしや文化を形づくる存在になりました。

特に注目すべきは、コトラーが指摘する「第三の場所(Third Place)」の概念です。従来はカフェや公園といった物理的な空間を指していましたが、これを拡張すれば、**デジタル上のスペースもまた「人々がつながり交流する場」**として機能していることが見えてきます。


Z世代にとっての「デジタル・サードプレイス」

Z世代にとって、サードプレイスは必ずしもリアル空間に限りません。

  • メッセンジャーアプリ(LINE、WhatsAppなど)

  • SNS(Instagram、TikTok、Xなど)

  • オンラインゲーム(Fortnite、Robloxなど)

  • ビデオ配信サービス(Twitch、YouTube Liveなど)

これらはいずれも、友人と会話し、体験を共有し、コミュニティを育てる場所です。実際、調査によれば**Z世代の約65%が「オンライン上の友人関係はリアルと同じくらい重要」**と回答しており、デジタル空間は「もうひとつの現実」として機能しているのです。🎮📱


URLとIRLの相互作用

こうした状況を踏まえると、URLとIRLはもはや別々の領域ではなく、相互に補完し合う関係だといえます。

  • URL → デジタルでのつながりや情報の拡散

  • IRL → 実際の体験や五感を通じた記憶の定着

  • 両者の融合 → 新しい体験価値やコミュニティ形成

例えば、ライブ音楽イベント。チケット購入はURLを通じて行われますが、実際に会場に足を運び、音楽を体で浴びる体験はIRLでしか得られません。その後、SNS投稿や動画配信を通じて再びURLが機能し、体験がデジタル空間で共有・拡張されていきます。


マーケティングへの示唆

だからこそ、これからのマーケティングでは**「URLかIRLか」ではなく「URL×IRLでどう設計するか」**が重要になります。

  • URLでブランドの価値を伝える(情報発信・拡散・利便性)

  • IRLで体験を提供する(感覚・感情・記憶として刻む)

  • 両者を往復させる仕掛けをつくる(体験が拡散され、拡散がまた体験を呼ぶ)

この循環を設計できるブランドこそが、これからの時代に強い信頼と共感を得る存在になるはずです。😊


まとめ

URLは入口、IRLは舞台。 この二つを掛け合わせることで、マーケティングは単なる宣伝活動を超え、人々の生活に豊かさと意味を加えるものへと進化します。

デジタルとリアル。その両輪をどう活かすかが、私たちがこれから取り組むべき大きなテーマです。 シリーズを通じて見てきたように、答えは「どちらか一方」ではなく、「URL×IRL」こそが未来のマーケティングをつくる鍵なのです。

(完)🌱✨ マーケの種シリーズ。こちらもいかがですか?→【マーケの種49】デザイナーはなんでもできる?④〜デザインマネジメントの未来 

参考記事:デロイト”2025年度「国内Z世代意識・購買行動調査」”