オイル缶の横に、街の記憶が積もっている
この通りを歩いていると、ふと立ち止まりたくなる風景がある。
天井が高く、奥行きのある建物。その多くは、もともと食材倉庫や車の修理工場として使われていたそうです。
🔧 配送車が出入りしやすいように開口が広く、天井には滑車の名残。
🍳 壁には、調味料や油缶がずらりと積まれ、“使う人のための空間”がそのまま街に開いている感覚が残っています。
🥗 一時は「西洋系レストラン街」に
そんな場所に、10年ほど前から変化が起きはじめました。
いわゆる「倉庫リノベ型」のトレンドに乗って、西洋系のレストランやカフェ、ギャラリーなどが次々に入居。
無骨な空間にデザインを加えたことで、お洒落スポットとして再評価されるようになったのです。
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セミオープンなキッチン
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打ちっぱなしの壁
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黒板に書かれたクラフトビールのメニュー
📸 インスタ映えもバッチリで、外国人居住者や観光客を中心に注目を集めるエリアへと変貌していきました。
→参考記事:香港政府観光局「西区(Western District)」
🦠 しかし、コロナがすべてを変えた
ところが、2020年以降のパンデミックで事態は一変します。
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海外からの渡航制限
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外食制限とソーシャルディスタンスの徹底
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欧米系住民の一時帰国や移住
これにより、西洋系レストランの多くが撤退を余儀なくされました。
📉 一時はにぎわっていたエリアが、静かに空き店舗の列へと変わっていったのです。
🫖 そして今、「ローカル回帰」の波が
最近では、茶餐廳(チャーチャンテン)やローカルチェーンの飲食店が続々と開店。
オセロの盤がひっくり返るように、かつての“西洋系ゾーン”が再び“地元型”に回帰しています。
→参考記事:香港政府観光局 “9 cha chaan tengs to visit in Hong Kong”(英語)
そんな中で、変わらず残っているのが、この大豆油の店。
隣には古びたスクラップ屋があり、どちらも時代の波に流されず、淡々と営業を続けているようです。
🛢 大豆油は、香港ローカル食堂の縁の下の力持ち?
店頭に積まれた大きなオイル缶。
商品名は「大豆油(Soybean Oil)」。価格は明記されていませんが、比較的安価で汎用性が高いため、香港中の中華料理店や食堂で広く使われていると思われます。
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発煙点が高く、炒め物に向いている
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味にクセが少なく、調味料の風味を邪魔しない
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コストパフォーマンスが良い
📌 高級なごま油やオリーブオイルではなく、“毎日の厨房”を支えるのは、こういう大豆油なのです。
街が変わり、店が変わり、人が入れ替わっても、
**「食材はここで買う」「油はいつものあれを使う」**という習慣は、静かに続いていく。
この大豆油の缶は、そんな営みの証しのようにも見えました😉
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