おうち和食の時代、香港にもじわじわ広がる「出汁文化」
誤解を恐れずに言えば、かつての香港では**「自炊」はそこまで一般的な行為ではありません**でした。
特に中心部では、外食文化が根強く、屋台・茶餐廳(チャーチャンテン)・点心店などの選択肢が豊富で、しかも安くておいしい。
🍜 1食あたりHK$30〜40(約600〜800円)で、麺もご飯も一通り揃うとなれば、わざわざ家で作る必要はなかったのです。
ところが、この10数年で状況が少しずつ変わってきました。
🇯🇵「日本料理を家で作る」人が増えている?
背景にはいくつかの要因がありそうです:
📈2000年代後半からの日本料理人気の高まり
✈️日本旅行のリピーター増加(2019年には香港から日本への訪日客は約229万人)
参考記事:日本政府観光局「訪日外客統計」ページ🍱「あの味をまた食べたい」というニーズの家庭内化
🦠コロナ禍による「おうちご飯」の定着
🎥 YouTubeやInstagramなどでの日本料理レシピ動画の拡散
こうした流れのなかで、「だしの素」や「味醂」「料理酒」といった日本特有の調味料が、香港の家庭にも入り込むようになりました。
🛒 高級スーパーからローカルスーパーまで
今回の写真は、香港内でもやや高級志向のスーパーで撮影したもの。
棚にはほんだし、白だし、昆布つゆ、八方だし、無添加タイプの出汁パックなど、実にさまざまな種類の「だし」が並んでいます。
価格は日本よりやや高めで、**ほんだし(60gボトル)がHK$20〜25(約400〜500円)**程度。
しかも、こうしたラインナップは高級店だけのものではありません。
最近ではローカル系のチェーンスーパー(如:惠康、百佳)でも、味醂や料理酒、うどんスープの素などが普通に手に入ります。
🧂「東瀛調味料」などのカテゴリが独立して設けられている店舗もあるほどです。
→参考記事:香港大手スーパーオンラインショップ「日韓醬料」ページ🍳 出汁があると「家ごはん」が変わる
香港在住の友人たちも、以前は「料理なんてしないよ」と言っていたのに、今では
「昨日、だし巻き卵を作ってみた」
「白だしで煮物やったら意外と簡単だった」
なんて話がちらほら聞こえてきます。
📌 だしの素があるだけで、料理のハードルがぐんと下がる。
ひとさじ入れるだけで「それっぽい味」になるこの手軽さが、海外の和食ビギナーたちにも受け入れられている理由なのかもしれません😉
香港のキッチンに「ほんだし」の瓶がある——
かつてはちょっと考えにくかった光景が、今では当たり前になりつつあります。
それは、日本の食文化が徐々に浸透し、“つくってみたい”という気持ちが広がっている証なのかもしれませんね。
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