マーケの種137:URLとIRL④

ナイキ・ランクラブなどのリアルイベントを象徴する、スニーカーを履いて一斉に走り出すランナーたちの足元

― デジタルとリアルを融合させるブランド戦略 ―

デジタル施策が進化し続ける一方で、企業はあらためてリアルな体験の重要性を再認識しています。URLが情報の入口として機能することは確かですが、**顧客の心を動かすのは「実際に体験した瞬間」**であることを、多くのブランドが理解し始めているのです。


事例① ナイキの「ナイキ・ランクラブ」

ナイキはオンライン販売を強化しつつ、世界各地で**「ナイキ・ランクラブ(Nike Run Club)」**というリアルイベントを展開しています。参加者はランニングイベントに参加しながら、最新のシューズやウェアを実際に試すことができ、**ブランドの哲学=「スポーツを通じて人を前進させる」**を体感できます。

数字で見ると、ナイキのデジタル売上比率は**全体の約26%(2022年度)**に達していますが、それでもリアルイベントをやめないのは、体験がブランド愛着を育む最強の手段だからです。👟✨ 参考記事:ネット担当者フォーラム「ナイキの低迷は過度なDtoC推進が原因? 経営立て直しのNIKE、EC売上が好調なファナティクスで明暗が分かれている理由とは

事例② アップルストアの体験価値

アップルストアも好例です。iPhoneやMacBookの詳細情報はURLを通じて簡単に調べられます。しかし、実際に店舗に足を運び、製品に触れ、スタッフと対話することで感じられる質感・操作感・安心感は、URL上の情報だけでは得られません。

さらに、アップルストアでは「Today at Apple」という無料セッションを毎日開催し、ユーザーが実際に製品を活用する体験を提供しています。2023年時点で世界に520店舗以上を展開し、単なる販売拠点ではなく「ブランド体験の場」として機能しているのです。🍏 参考記事:Apple日本:「Today at Apple 銀座」


URLだけでは伝わらない価値

こうした事例からわかるのは、URLだけではブランドの価値を伝えきれないということです。URLは情報提供の窓口として便利ですが、実際に体験できる「リアルの場」がなければ、顧客の感情に深く響くことはありません。

  • URL → 情報の入口

  • IRL → ブランドを「実感」する瞬間

  • 両者のシナジー → 信頼と愛着を高める力

つまり、デジタルとリアルのバランスをとり、顧客が実際に試し、感じ、関わることのできる場を設けることで、URLの先にある情報はより強く、より説得力を持って響くのです。😊


まとめ

多くのブランドは今、リアルな接点をいかに設計するかを重要視しています。デジタルが進化すればするほど、「体験」という現実世界の価値が際立っていく。URLとIRLの両輪を意識することが、これからのマーケティングにおいて欠かせない視点なのです。

(続)👉 マーケの種シリーズ。こちらもいかがですか?→【広告成功の公式:具体×抽象】④〜マーケの種56