「鶏」にみる感覚の差異

インターンY ブログ3

香港の広告が派手だということは以前も述べた通りだが、MTRの車内広告で色味やデザインそのものとは別にインパクトの強いものを見つけた。

衛生署による香港への持ち込み禁止食物広告だ。この路線は深圳と繋がっており、特に鳥インフルエンザへの懸念から鶏肉や卵製品がフォーカスされているのだろう。

最初にこれを見たときは衝撃を受けた。香港では焼味(ロースト)に使う鶏肉や鴨肉が頭つきで丸ごと一羽店頭にぶらさがっているのが当たり前だ。頭つきの姿も見慣れて耐性はついたと思っていた。それでも羽をもいだだけで食品としてほぼ未加工の、まだ鶏肉というよりは鳥に近い姿が晒されているのを見るのは気が引ける。「こんなグロテスクなものを電車に貼って良いのだろうか」と心配になってしまった。

また、先日MTRで焼身自殺未遂事件があったが、翌日の新聞の一面にその事件に巻き込まれてひどく火傷したひとが大きく載っていた。香港人の友人いわく「過激なほうが目をひいて買ってくれるから」らしい。これが本当だとすれば被害者すら買ってもらうためのコンテンツという扱いに驚嘆してしまうが、それはともかく「これほどグロテスクなものを載せても許される社会なのか」と思ったのだった。

あるものをグロテスクと感じるかどうかは、そこにある文脈や個人の感性、あるいは感性を形作る社会によってそれぞれ異なるだろう。香港で幼少期をすごせば頭つきの鶏が皿に乗っていても違和感は持たない。それとは別に、社会からの規制も影響を与える。法や条例にかかわらず苦情によって自主規制するという流れはよくあることだ。もし日本で毛を剥がれた鶏の写真が広告に使われたら、「残酷だ」「あまりに生々しい」などのクレームがつくかもしれない。「子どもは刺身が海を泳いでいると思っている」と揶揄されるような日本社会には少々刺激的だ。

国によって感性も受容のされかたも異なるということの一例がこの鶏から垣間見えた。

香港の地下鉄、MTRマップの読み方

インターンY ブログ2

香港の地下鉄、MTRマップは移動の必需品だ。東京の乗換に比べると断然楽だが、短時間での乗換が多い。来てしばらくは緑の路線から赤の路線へ乗り換える時に、なぜ太子や油麻地でなくモンコックなのかわからなかった。それぞれの駅で乗り換えてみて初めて、同じフロアで乗り換えできるからだと気づいた。車内に貼ってあるMTR全図を見ているひとはどれほどいるのだろう。線によっては扉上方のマップが光って目的地に行けるかどうかわかるため、貼ってあるマップを見ないというひとも多いのではないかと思う。その地図を見ていると、乗換駅にだけ白丸のなかに棒が書かれていることがわかる。

直線が横並びだったり傾いていたりするが、これについて地図内に凡例は記載されていない。わたしのように乗換駅について疑問を持ったことのあるひとなら、比較的早くこの線の示す意味がわかるかもしれない。この棒は乗換時の移動について表しているだろう。モンコックのように横並びなら同じフロアで、太子の場合階段を降りる必要があり、油麻地なら反対に上るということだ。わたしはこの線の意味を理解した時深く納得したが、乗換について疑問を持っていない限り、このマークはともすると見過ごされてしまう。そもそもアプリで乗換ルートを調べていれば全く必要ないマークともいえる。さらに駅を見ていくと、別の疑問が生じる。九龍塘や中環の乗換は同じフロアではないのに、横並びの直線が描かれている。

これらの駅では階段の上り下り含め歩かなければならない。新しくできた黄緑色の南港島線にいたっては、油麻地と同じく階段を降りれば着くのに横並び線になっている。

考えた結果、ホームを一種類の路線が使用している場合には移動の上下関係なく横並びになっているという結論に至った。デザインについてわたしは専門的知識を持ち合わせていないが、抽象化の意義は普遍的に伝わりやすく、理解しやすくするためだろうと思っている。路線図は特に、見て即座に理解できる必要がある。その点このマークは少々理解に時間がかかり、良いデザインとは言えないのかもしれない。そもそもどの程度のひとに必要とされているのかもわからない。MTRの新線が次々開通・延伸し、ますます複雑な乗換が要求されるなかで、まだしばらくはふと意味に気づいたひとだけがニヤリとするのだろう。

香港と日本、広告表現の差異3

インターンY、ブログ1

香港の駅に貼られた広告をぼんやり見ていて、時々なぜだか落ち着かなくなることがある。圧倒的なテキスト量もその一因だろうが、少し考えてみると異なる理由が思い浮かんだ。

広告にストーリー性からなる奥行きはほとんどなく、CGを多用した平面的なデザインが過激な色彩やエフェクトとともに一方的に迫ってくる。特にMちゃんが既に指摘しているように、人物の写りかたは画一化されており、通行人の視線を受ける前提のポージングをしている。言うなれば舞台劇を静止画に落とし込んだようなものだ。伝えたいことを懇切丁寧に、やや大袈裟に目の前に存在する観客に対して訴えている。

香港の広告が舞台劇だとすれば、日本で見かける広告は映画だ。

日本の広告ではその商品にまつわるストーリー性や雰囲気を重視し、そこからブランドイメージを人々の間に作っていることが多い。詳細な説明はなく、受け手の存在を意識しない人物のふとした一場面を切り取った広告がしばしば見られる。わたしたちは、その場面と人物の印象、効果的なコピーライトから広告を読み取り、それぞれが物語を想像することになる。一見その解釈は受け手の自由に任されているように思われるが、もちろん緻密な計算の上に成り立っている。

分かり易い比較のために香港のエアウェーブスの広告と日本のミンティアの広告を比較してみた。

このエアウェーブスの広告はまだ香港の広告のなかでもストーリーのあるほうだろう。3月なのでおそらく高校生の受験勉強に役立つことを伝えているのだろう。分かりやすい要素が全て可視化され、叫ぶように力強く表現されている。一方日本のミンティアの広告では、出勤する若手社員が通勤する劇的要素の全くない様子が切り取られており、これから始まる仕事への緊張感や倦怠感を表している。そしてもう少し受け手が広告に寄っていくと、ミンティアはその朝の一場面にとどまらず、「全てのがんばる局面に寄り添う」というメッセージを発見できる仕組みだ。

#ミンティア #日本の広告 #劇 #映画 #ストーリーテリング #デザイン #コピーライト #アジア #表現 #グラフィック #エアウエーブス #AD #Japan #Hongkong #copy #storytelling #airwaves #Mintia #Asahi #TYA

“The pink, purple, and happiness”

TYA member interview- [ Jade ]

This time we would like to introduce our colleague in Sales and marketing manager, Jade through her regular items in her bag and office.

The fan is her must item on her desk to ventilate the air in the office.
Actually, she is the fan in our office. She is always smiling so that can bring better atmosphere in our office.

Her favourite colour is pink and it represents her personality “Kind and attentive person”. A couple of our clients who knew her hard works and her favourite colour so gave her “A red notebook” and ” A pink USB memory”. She is now using them as her two of regular items.

To keep her thought clear and sharp, she usually chooses purple as her second preferable colours as a family colour of the pink, like her wallet and phone.
However, she said ” Actually, the most important thing is being happy with yourself”

As same as the pink colour reminds her to be happy, she has the same function on TYA members too.

#TYA #TYAHK #hongkong #hk #hkoffice #creative #goodvibe#workdifferent #ilovework #lifestyle #dreambig #brainstorming #create#collaborate #innovation #motivation #coworkers #officeculture #Japan#pink #CWB

香港と日本、広告表現の差異2

インターンM、ブログ2

日本製品の広告について。香港と日本の広告には、様々な違いがあります。しかし、香港で出されているファンケルの広告は、日本企業であるにも関わらず、非常に香港化された文脈をもっていました

最近、MTR構内に苺ケーキの広告をよく見かけます。この広告は東海堂というパン屋チェーンのものです。経営しているのは香港の食品グループですが、広告はかなり意図的に日本の広告のように作ってあります。


日本の女優を日本的な手法(ヘアメイク、表情など)で撮影しており、広告には日本語のコピーが書かれています。背景をぼかす手法も、香港の広告ではあまり見かけません。

しかしよく見ると、香港的な広告の要素も見られます。日本の広告よりも、女優の髪の修正はやや少ないようです。日本の広告と比べて、女優の髪質が少し荒く見えるのではないでしょうか。また、ひとつの広告に多くの種類のフォントを用いるのも、香港の広告にはよく見られる特徴です。

こちらはコーセーの広告です。ファンケルのように、香港化されています。先週紹介した美容整形の広告に似ているのではないでしょうか。

(先週紹介した美容整形の広告)

  しかし、ファンケルがあくまで香港製品のように宣伝されていたのとは異なり、こちらは香港の文脈を用いて、日本製品であることを強調しています。製品のパッケージは日本で発売されているものと同じで、広告にも「の」が用いられています。

「の」は、香港で非常に人気で、日本的なものをアピールしたいときによく使われます。時には、日本製品ではなくても広告に用いられることがあります。この二つの広告の違いは、とても興味深いと感じました。一方は香港の企業ですが、香港の文脈を残しつつ日本の広告の手法を取り入れ、もう一方は日本企業であり、日本製品であることをアピールしながら、香港の広告の手法に則ってつくられています。

香港と日本、広告表現の差異1

インターンに来てくれているMとYの香港の広告に関しての考察を順次紹介していきたいと思います。

日本からの2人のインターンに香港はどう映っているのでしょうか?

私達も初心に戻って振り返ってみたいと思います。

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インターンM、ブログ1

香港の街中やMTRの構内で、さまざまな広告が目につきます。

その多くは、日本で見かける広告とはかなり異なる文脈を持っています。
「香港的な広告」は、テキストによって消費者に訴えます。印象的なフレーズや文章によって、商品の特長をアピールしているのです
それは、日本人の感覚からすると、過剰に思えるかもしれません。
例えば、この広告は、MTR構内のライトボックスを利用しています。

日本のブランドであれば毎日多くの人が足早に通り過ぎる場所に、このようなテキストを重視した広告を掲げることは、あまり効果的ではないと考えるでしょう。

日本では、こうした場所には、もっと視的イメージに特化した広告を掲げるのではないかと思います。
しかし、香港的な文脈では、グラフィックはあまり重視されません

商品の写真は、たいてい明るくはっきりとしていて、色鮮やかです。
そして、人物は記号的に扱われます。人物のヘアメイクやライティングは、どの広告もほとんど同じで、たいていの人物は白い歯を見せて笑っています。

こうした広告のあり方は、日本の考え方とはかなり違います。
日本の広告、特に多くの人が行きかう場所に掲げられるものは、テキストは比較的控えめで、人物や商品の個性的な演出によって、

にはないブランドのイメージをアピールしようとします。
一方で、銅鑼湾駅で見かけたファンケルの広告は印象的でした。

ファンケルは日本のブランドですが、この新商品の広告は、完全に香港の文脈に沿ってつくられています。
そうすることで、香港の消費者に、海外資本のハイブランドのようなよそよそしさではなく、身近さを感じさせる効果があるのかもしれません。
同時に、憧れや特別感、高級感といった印象からは遠ざかるでしょう。
しかし、すでに香港では日本は身近な存在です。ファンケルも、香港に多くの店舗を展開しています。こうした広告は、むしろ効果的であるのでしょう。​

 

Hybrid TYA _ Statement 2017

Happy Lunar New Year! TYA Hong Kong also started this new year of the rooster. Although growth in Developed countries has speeded down, it is more and more competitive in its market in this era of “NEW NORMAL”.

However, the pinch is the chance! The prescription will be Upgrading + Restructuring so that we upgrade TYA from every single worker and restructure our TYA HK with you in a much more unique, enjoyable and inspiring way. Proudly, we are the capable team that have the creative and flexible mind which can provide versatile services further.

Firstly, as a concrete idea to make us upgrade, we would reinforce our a couple of strengths that we can be in detail in quality as from Japan origin company and we increase the quality of the high satisfaction of customer experience which we already have from our clients, more.

At the same time, to reconstruct TYA, we will re-evaluate the trajectory of TYA Hong Kong and re-check it at the same time.

On the other hand, by keep providing hot insights or useful information from our point of views, we can be a referable company.

We are looking forward to working with you soon in this exciting year 2017!

#hongkong #hk #hkig #hkoffice #music#worklife #creative #coworkingspace #community #ilovemusic #singer #Jayfung#goodvibe #coworkingcommunity#workdifferent #campfirehk #ilovework#lifestyle #dowhatyoulove #dreambig#brainstorming #create #innovation#coworkingspace_hk #motivation#statement #design #upgrade

トークショー③若手トーク:「香港でのスクール体験。そして今、香港で働く」

若手の3人のスピーカー岩崎さん、最上さん、森澤さん。岩崎さんは駐在員の家族として、最上さんはお父様が香港人、森澤さんはお父様が香港で起業されていて、それぞれ香港日本人学校(全員)やインター校(森澤さん)に通うという体験をされました。

3人がスクールライフを送っていた10年前という時代は、最初のiPhoneが発売され日本の家電業界は圧倒的な優位が崩れ始めた時期です。そしてそれと反比例するように香港では人々のライフスタイルの幅がどんどん広がり始めた頃です。

打ち合わせの時にそんな話をして、皆さんが学校にいた頃の香港と今の香港で変化を感じますか?と水を向けてみました。ところがその質問はあまり良い質問ではなかったようです。つまり家庭という保護下にあって学校を中心とした生活を送っていたので外の世界がどんな風に回っているのかという事をあまり考えたことがなかったということです。パネルの最初の方で3人は一様に「私達は香港のことが大好きなので」と話してくれました。
岩崎さんと最上さんは高校から、森澤さんは大学から日本で暮らすことになります。そして全員が日本での就業経験を
経て、「香港で働きたい」という気持ちを固めて香港に帰ってきます。森澤さんはお父様の会社で、岩崎さんと最上さんは
日系企業に就職し、それぞれに活躍され仕事に手応えを感じているそうです。香港の良いところは何かという問いには3人からいくつかの答えをもらいました。例えば、この会のようにいろいろな人達とよりシンプルに出会える機会があること、日本と異なり自らが望めば伝統的なステップを踏まなくてもキャリアを築いていけること、などです。今後、3年後、5年後を見据えてどんな自分になっていたいと思うかという問いでは3人共、視野を広げ様々なことによりオープンになって自分を磨いていくことで香港でがんばって行きたいという意気込みを聞かせてくれました。

3人のまっすぐな気持ち、考え、ビジョンをシェアしてもらい、パネルを終了しようとする間際に参加者の中からコメントをいただきました。

「皆さんはほとんどがバイリンガル。日本語、広東語、もしくは英語を話せるでしょう。そんな人達は世界で見たらとてもユニークです。日系、港系、そんなくくりに縛られなくても、そういう方々はきっともっともっと飛躍できます。自信を持ってどんどん人と繋がり、活躍の場を広げていきましょう。そして、香港はそれを可能にしてくれる場所だと思うのです。」
このコメントは登壇してくれた3人のみでなくそこに居た私達全員への素晴らしい贈り物になったと思います。そしてこのディスカッションをより
大きな意義を持つものに高めていただきました。ありがとうございました!

トークショー②ブランドをローカライズするために、私たちが、向き合っていること

香港大塚製薬の中村省吾さんに登壇いただきました。同社の看板商品であるポカリスエットのみならず、オロナミンCや賢者の食卓といった日本発のヒット商品をどのように香港で売っていくのか。何を維持して何をローカライズすべきなのか。日々考えておられる事を様々な面から語っていただきました。

1980年に日本で発売された大塚製薬のポカリスエットは日本人なら知らない人はいないでしょう。著名なブランドならではの安心感、安定感そして信頼感を私たちに与えてくれます。ポカリスエットは香港に登場して35年。認知率99%、清涼飲料(コンビニエンスストア)の中で売り上げは15年連続第一位。香港の人達にも深く受け入れられている商品です。

お話に合わせて、私達TYAHKがお手伝いさせているポカリスエットのTVCMを7本紹介させていただきました。2014年までのジャパンオリジンを強調した日本を舞台にした作品から2015年バージョンには大きな転換がありました。クルー、キャスト、ロケと完全にオール香港で作る事になりました。認知度が高いということで満足することなく、その時々の世の中の動きや市場の反応を見て、打ち出し方を変えていく事がローカライズの使命でもあると私達も改めて認識をさせていただきました。

中村さんからはポカリスエットのご紹介に続き、近年マーケットに投入された2商品についての状況もシェアいただきました。

先ずは中村さんも愛用されている名品、”賢者の食卓”は飲み物やスープに簡単に溶かすことができます。無味無臭なので味を変えてしまうこともなく、食事中の糖分や脂肪分の摂取を抑えてくれる優れものです。まだ市場導入後の日が浅い為に認知度を高め、販路を拡大する為にどうしていくかが課題だそうです。

また”元気ハツラツ”で有名なオロナミンCも今年が3年目。更に認知度を上げるために2年目の昨年は雑誌”100毛”などで人気の盤菜瑩子さんをキャラクターとして起用されTVを初めとして各種媒体での露出を高めている一方で、商品理解を得るための地道な活動も積極的に行っているとの事。実際に飲んでもらって商品を知ってもらう事はもちろん、”オロナミンCの黄色はビタミンCの色”、”茶色い瓶はビタミンCを日光から守るためのもの”といった商品のベネフィットを伝える事が課題だそうです。関連イベントでのサンプリングや企業、各種団体などを対象にしたセミナーの実施についても紹介いただきました。

ローカライゼーションは1日にしてならず。不断の努力とすり合わせが最重要という事を教えていただいたセッションとなりました。中村さんありがとうございました。

– ポカリスエット(香港)

https://www.facebook.com/PocariSweatHKOfficial/?fref=ts

– 賢者の食卓(香港)

https://www.facebook.com/wisemansdininghk/?fref=ts

– オロナミンC(香港)

https://www.facebook.com/oronaminchk/?hc_ref=SEARCH&fref=nf

トークショー①こだわりを捨てずに香港で流行りの店を作るには

わずか5-6年前まで香港で本格的なカフェやラーメン店に出会うことができるとは誰も想像しませんでした。それほどいい店がなかったのです。今ではカフェもラーメン店も大変な激戦区。おしゃれ、美味しい、本格的は当たり前で次々に進出が相次いでいます。カフェ好き、ラーメン好きにはたまらないですね。

第一回のコネクト!ではこのように競争が激しくなっていく中で多くのファンから確かな評価を受けているお二人に登壇していただきました。お二人に共通しているのは自分の感覚、考え方を大切にしながら常にチャレンジしマーケットを切り開いていること。でも、それぞれの方法論はユニーク。そのあたりをレポートしようと思います。

 

カフェ「Brew Bros Coffee 」(上環店、西営盤店)オーナー小野光さん

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丁寧にご自分の経歴や考え方をシェアしてくれた小野さんです。

全てのスタッフが常によい美味しいコーヒーを淹れることができるように、小野さんのお店では常にデータを取って
いるというところがユニークだと思いました。豆の量、挽き方、お湯の温度、量、時間etc. こうしたデータを
マメに集めていくことによって、コーヒーの味の最適化に少しづつ近づいていくという考え方だそう。
誰かひとりが素晴らしいコーヒーを淹れることができればいいという事ではなく、お店全体でより美味しいコーヒー
を出したいという考えだそうです。

また、どちらかと言えばクールなたたずまいの多い他の店と差別化するためにBrew Bros Coffeeではお客様に
お店で心地よさを感じて欲しいということに重点を置くということを上げていました。そのためにも
スタッフの皆さんとは常にわかりやすいゴールの共有とそのための個々人の目標設定を欠かさないということ。

今後はコーヒーとプラスα=何かちょっと特別なことが楽しめる新カフェ体験を提供したいと計画しているそうです。
これからのBrew Bros Coffeeファミリーの活躍に目が離せないな!と思いました。

– Brew Bros Coffee上環店
https://www.facebook.com/brewbroscoffee/?fref=ts
– Brew Bros Coffee西営盤店
https://www.facebook.com/brewbroshillroad/?fref=ts

 

ラーメン「左近」(蘭桂坊)「麺屋丸京」(葵芳店、牛頭角店)オーナー村田顕一朗さん

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クールに見える村田さん。実にユニークな視点を紹介して下さり会場を沸かせてくれました。

村田さんの味に対する考え方で面白いな思ったことが2つあります。一つはどんなラーメンを出すのか。
いろんなパターンが可能な中で村田さんは敢えて香港の人がこれまで敬遠した味作りを行う、例えば油をたくさん使う、
生のチャーシューを使う、というようなことです。たくさんのラーメン店が進出し、お客様も味に
慣れていく中でわざと逆張りを行う。そしてユニークなポジションを獲得していくということでした。

もう一つはスタッフに対してどこまで味の再現を求めるのかということ。村田さんは100%を求めてないそうです。
それは自分が作ればもちろん100%のものが作れるけれども、育ったバックグラウンドも味の体験も異なる
香港のスタッフにそれを求めるのは意味がないと考えているからだそうです。そして、いくつかの味に決定的
な違いをもたらさない部分については、スタッフの判断でやらせているということ。もちろん味に自信があるから
できることですがスタッフのマネジメントも含めて考える。日本人はとかく完璧を追求しないと気が済まないが
違いを受け入れた上でお店を経営する。とても勉強になります。

25年間の不況を味わってきた不況対応プロフェッショナルな日本人として逆境への備えも十二分と断言される村田さん。
左近と丸京という2つのブランドでこれからもお客さんを魅了してくれるはずです。

顧客体験を大切にお客さん視点のサービスと質の向上を図る小野さんと、多勢にも簡単には屈せず孤高の道を突き進む村田さん。
アプローチは違うように見えますが、それぞれこだわりのサービス道を着々と進めていることは変わりません。
お二人のユニークな人柄からたくさんの刺激に満ちた素晴らしいトークになりました。

 

- SAKON左近
https://www.facebook.com/sakon.lkf/?fref=ts
– 麺屋丸京葵芳本店
https://www.facebook.com/marukyou.hk/?fref=ts
– 麺屋丸京牛頭角店
https://www.facebook.com/marukyou.ntk/?fref=ts